【ニューヨークの治安】ニューヨーク在住者がレポート(2022年4月30日)

コロナ禍でニューヨークの治安が悪化し、とりわけアジア人へのヘイトクライム(憎悪犯罪)が目立っています。

NBCニュースが報道したところによると、センター・フォー・ザ・スタディー・オブ・ヘイト・アンド・エクストリミズム(Center for the Study of Hate and Extremism)の最新の調査では、アメリカで2021年に報告されたアジア人に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)は前年比プラス339%にも上ったとのことです。

コロナ禍で職を失ったり自粛生活を迫られたりして大変な思いをしているのは、ウイルスを持ち込んだ中国人のせいだ!だから中国人を排斥しろ!という偏った思考が、アジア人へのヘイトクライムに繋がっているとされ、中国人も日本人も韓国人も、アメリカで生まれたアジア系アメリカ人も、へイターにとってはみな一括りなのです。

つい先日、在ニューヨーク日本国総領事館から、邦人が被害に遭ったという注意喚起のメールが届きました。内容は以下の通り。

【4月27日夕方、ニューヨーク市マンハッタン区23丁目の5th Aveと6th Aveの間を保護者と一緒に歩行していた在留邦人の子供が、前方から歩いてきたビジネスマン風の男に突然無言で顔を蹴られて転倒して、手を負傷したとの報告がありました。なお、男はそのまま歩いて去ったとのことです。保護者の方は、付近を警察車両で移動中の警察官に事情を説明し、その後、警察署で被害届を提出したとのことです。】

アジア人を狙ったヘイトクライムかどうかは定かではありませんが、誰がいつ、どこで被害に遭うか分からないという不安がますます広がっています。

私もコロナ禍で何度かヘイトクライムと取れる経験をしました。
道端で見ず知らずの人に「中国に帰れ!」と罵られたり、すれ違い様にゴミ袋をわざとぶつけられたり…。
しかし、ニューヨークに住んで10年、このようなことは今に始まったことではなく、コロナ以前にもあったことです。
差別する方はコロナを理由に差別を行動に移し、一方で差別される方も声を上げ始めた、ということなのだと個人的には思います。

上記の領事館の注意喚起のように、最近の犯罪はいくら気をつけていても防ぎようがないものも多々あります。
地下鉄を利用する際には周りに様子のおかしな人がいないか常に注視し、またアパートの鍵を開ける際には背後に誰もいないことを確認するなどの防犯対策はしていますが、もしも犯罪の被害に遭った場合、逃げる、助けを呼ぶ、911に通報するなど、果たして落ち着いて行動できるのか…。
常に頭の中でシュミレーションすることも、今できる防犯対策の1つかもしれません。

NYPDは毎月犯罪統計を発表しており、人種別のヘイトクライム数も確認できます。
こちらは2022年3月の統計↓↓↓
https://www1.nyc.gov/site/nypd/news/p00041/nypd-citywide-crime-statistics-march-2022

その他、便利帳スタッフによるニューヨークの治安情報はこちらから↓↓↓

【ニューヨークの治安】安全に暮らすための被害回避策
https://ny-benricho.com/leisure/now/%e3%80%90%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%83%a8%e3%83%bc%e3%82%af%e3%81%ae%e6%b2%bb%e5%ae%89%e3%80%91%e8%a2%ab%e5%ae%b3%e3%81%ab%e5%90%88%e3%82%8f%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ab/

【ニューヨークの治安】結局、「自分の身は、自分で守るしかない」
https://ny-benricho.com/leisure/now/newyork_report_0325/

【ニューヨークの治安が悪化?】NY在住者が住んで感じること
https://ny-benricho.com/life/newyork_report/

2022年3月11日 心配するニューヨークの治安の変化と現状
https://ny-benricho.com/life/ny-public-safety_report01/

【執筆】
編集部 金井
NY在住歴 9年