【ニューヨークで活躍する日本人】日本人油絵画家Koh氏の作品がカーネギーホールに展示

ニューヨークを拠点とする油絵画家のKoh氏(以下、敬称略)。 東京出身で、16分の1のフランスの混血だ。
ヨーロッパやアメリカで暮らした経験から、文化や性別を超え、一段と多様化する世界観を探求するために、2016年にニューヨークに移住。
パーソンズ美術大学で成績優等生で美術学士号を取得し、ロンドン芸術大学で交換留学生として美術絵画学士過程(優等)を取得。パーソンズ美術大学で学ぶ前はコロンビア大学で学術論文を学んだ。
そんな彼女の作品が、栄えあるカーネギーホールで展示されることになった。

『コンセプトは矛盾(生と死)、そして人間の複雑な心理状況を油絵を通して表現すること』とKohは語る。
作品はニューヨーク市の活気に満ちたエネルギーに大きな影響を受け、矛盾(生と死)を通して、観る人の心に届く作品作りを目指しているという。

絵画はカーネギーホールの代表を務めるClive Gillinson氏のオフィス内に展示されているというが、『カーネギーホールにコンサートを聴きに行く度に自分の作品がここにあるかと思うと、大変歓喜深く勇気を貰える』と語る。

実際にカーネギーホールに飾られている絵画はこちら(下記写真)

贈呈された作品は、 世界的な音楽家として活躍した坂本龍一氏が描かれた作品だ。
坂本龍一氏は、2023年に亡くなった世界で最も有名な音楽家・作曲家の一人。

―この絵画を制作した背景は
Koh: 大学の卒論のテーマが矛盾(生と死)だったのですが、以前から何をもって生と死なのかという定義を考えていました。毎日の生活で常に死は自分達とセットだと改めて意識し始めました。3.11もですが明日この世にいないかもしれない、とふと思ったりします。逆に一般的に“死”という、身体がこの世から消えた後も人の心の中や作品で生き続けていることを“生”と思うようになりました。

―なぜ坂本龍一氏を描こうと決めたのか
Koh: 坂本龍一さんは子供の頃から大好きな音楽家であり、亡くなられた時はとても悲しかったです。私は坂本さんのビジュアルや雰囲気も子供心に神秘的で好きで、彼の音楽を聴くと特別な空間にスワイプした気分になりました。
その空間はとても心地良く清らかな中に荘厳なエナジーがあって、一人だけの世界になれる場所でした。そんな空間を作り出してくださった坂本さんを自分のキャンパスの中で蘇らせたいと思いました。

―絵画では坂本龍一氏をどのように表現しているのか
Koh: 坂本さんが亡くなられたことを儚く美しい桜の花びらで表現し、彼の奏でた音楽は永遠に誰かの心の中に生き続けることをピアノで表現しました。
彼の静かにピアノを弾く、モノトーンの写真や映像が私はとても好きでした。
坂本さんのそのモノクロームな神秘さと中に溢れるエナジーをどう表現するかをブラッシュストロークで表現するため、何度も描き直しました。油も筆跡が分かるようにグロスが効いた厚めのものを選びました。
キャンパスから魂や風や香りを感じられるよう絵に花弁の動きやカラーで“生”を吹き込見ました。音楽と共にキャンパスの中で坂本龍一さんは永遠に生き続けているように。

翌朝塗りかけのキャンパスを観て毎日生きていると感じられるように制作していたら一週間が経っていました。
絵を観ていただいた時に、坂本龍一さんを感じて頂けたら嬉しいです。

Koh氏の作品は日本クラブWEBギャラリーでご覧ください。

<お問い合わせ先>
Koh Fine Arts
info@koh-finearts.com