2022年3月11日 心配するニューヨークの治安の変化と現状

僕は1988年からニューヨークに住んでいます。当時は本当に怖かった、でも、これが”アメリカ”だと思っていたんです。当時、42StのTimes SQ付近は××ショップが乱立し、Port Authorityより西側は絶対に行ってはいけない危険区域、その他、ミッドタウンのPark Ave やLexington Aveのストリートの角には何人もの売春婦が立っていて、96StよりアッパーのHarlemエリア、ローアーマンハッタンのWilliamsburg Bridge周辺, Chainatownの北側は完全なスラム街で絶対に歩いてはいけないエリア。。。と言うのが当時の僕の認識でした。BronxやBrooklynなどは論外です!
不謹慎な話ですが、車で信号待ちして襲われそうになったら相手を轢き殺しても正当防衛で無罪になるから、その覚悟で運転するよう、先輩方からよく言われたものです。ホームレスの人たちの数も半端じゃなかった。自分の命は自分で守る、
そういう時代でした。

そんな荒れ果てたニューヨークを1994年、第107代ニューヨーク市長になったルドルフ・ジュリアーニ氏が凶悪犯罪の撲滅を掲げ、治安改善に大きな成果をあげたことは、彼の功績以外にありません。各界で様々なファンドレージングによる寄付活動を行い、そのお金でNYPD(警察官を増員)を拡大し、アメリカ経済の復興と重なって、見る見るうちに治安が回復していったのです。他方、面白い事実もあります。ホームレスをニューヨークから追い出す為にジュリアーニ市長は、シェルターにお金を配り、エアーチケット代と衣類をホームレスに無償提供し、飛行機に乗せて州外に退去させる力技をやってのけた剛腕政治家として有名です。2001年、アルカイダによる9.11世界同時多発テロが起こりましたが、その後の治安維持という点については、祖国日本よりニューヨークの方がむしろ安全じゃない?と思う期間が約25年間続いていたように感じます。

それが、2020年から始まったCovid19により、徐々にニューヨークの治安が悪化、世界が一変します。
世界規模のロックダウンによる失業者の増大、IT化による人間のストレスや仮想通貨や株価の乱高下による将来不安、経済的格差も広がり、2021年に入ってから治安が一気に悪化、凶悪犯罪を倍増させています。ウィルス戦争が終息に向かうと思いきや、今度はどこかの大国でリアル戦争に発展している昨今です。人間は本当に愚かな動物です。悲しいかな歴史は繰り返すのです。

毎日のように凶悪犯罪の事実がメディアから発信されています。

NYPD – FOX 5 New York
NYPD – New York Post

在ニューヨーク日本国総領事館のwebサイトでも安全対策情報が公開されています。特にアジアンヘイトクライムについても記載されているので要チェックです。

最後に。。。

僕個人の肌感覚で今日のニューヨークの治安を見た時に90年代の危ない暗黒シティーに逆戻りしたとは思っていません。
ただ、ホームレスの増加は間違いありませんし、大声を発する気狂いやドラッグ中毒のような目をしたヤバそうな人は確実に増えています。昨年からニューヨーク州は大麻を合法化したことで道を歩いていても大麻の匂いがプンプンすることがあります。凶悪事件の時間帯は、深夜12時〜朝方にかけてに集中しています。

僕の護身術は3つ。
①通勤時には手提げカバンは止めて両手が使えるリュックに変えたこと。
②何かあった時に直ぐ逃げれる走り易いスニーカーを履くこと。
③22時以降は出来る限り外出しないこと。

仮に前から不審者がフラフラ来た時、躊躇なく直ぐに逃げること、これは絶対に忘れないで欲しいです。戦おうという姿勢は相手を威嚇するだけで意味がありません。必ず相手はナイフや銃を持っています。アメリカは逃げるが勝ち、なのです!

【執筆】

Y’s Publishing Co., Inc.
代表
吉田仁