【アメリカで活躍する日本企業インタビュー】SG Sagawa USA, Inc. Branch Manager 木崎咲希

SG Sagawa USA, Inc.
300 Harmon Meadow Blvd., Suite 425, Secaucus, NJ 07094
Tel (201) 736-7443

群馬県高崎市出身。獨協大学外国語学部卒。2014年にSGホールディングスグループ内で国際物流を担う子会社SGHグローバル・ジャパン(株)入社、成田空港オペレーションセンターで航空輸入貨物の取り扱いを担当。2017年から東京本社海外法人営業課所属。海外代理店営業として北米を担当し、欧米系アパレル企業キーアカウントマネジメントに従事。2019年からアメリカ駐在。

西海岸に続き、東海岸のマーケットでも事業拡大に期待

東海岸での事業拡大をねらい2020年6月、ニュージャージー州に新支店を開業したSGホールディングスグループ。同社にとって今後ビジネスの重要拠点となる同エリアでの指揮を任されたのは、入社7年目の女性だ。

ー 貴社の概要についてご説明ください。

SGホールディングスグループとしては日本国内に本社、その他に海外法人があり、弊社はSGホールディングスグループのアメリカ法人として2014年にロサンゼルスに会社を設立しました。ニュージャージー支社のオフィスを共有しているエクスポランカというスリランカに本社を構える会社をSGホールディングス傘下に収めています。弊社グループには「飛脚の精神(こころ)」といいまして、荷物をただ届けるのではなく大事にお客様に届けるという創業者の思いがあり、お客様目線に立ったサービスはアメリカ法人でも受け継がれています。グループとしては早くから東南アジアに進出しており、アメリカは比較的新しい拠点となりますが、海外拠点のなかでは非常に伸びている拠点となります。

ー ニュージャージーにオフィスを構えた経緯は。

西海岸のマーケットでは事業を伸ばすことができ、次は東海岸の事業拡大のため2020年6月にニュージャージーに進出しました。西海岸は土地柄、アジア諸国との取引が多いのですが、東海岸、特にニューヨークは世界との取引が盛んで非常に大きなマーケットが広がっており、また本社を設けているお客様が多いことから、東海岸の中心拠点としてニュージャージーにオフィスを構えるに至りました。

ー 事業内容と主要な取引先について教えてください。

中心事業は国際クーリエ(小口サービス)やエクスプレスサービスなどが主となります。他にも国際航空輸送、海上輸送、倉庫業などの物流サービスを提供しています。アメリカでは、日本に通販を行っている、いわゆる越境通販の会社が主なお客様となります。お客様の業態はアパレルや機械など実にさまざま。通販は日本国内で買う場合と海外で買う場合とで、だんだん垣根がなくなってきています。たとえば、日本で正規で買うと高額なアパレル商品が、海外の会社だと安く手に入ることがあるため、海外で販売されている商品をアマゾンや楽天などの通販サイトを通して日本から購入される人々が近年増えています。新型コロナウイルスのパンデミック後も通販事業には影響がなく、物流の需要はむしろ増えています。

ー 西海岸本社と東海岸支店における役割の違いは何ですか。

西海岸と東海岸で事業内容は同じですが、基本的には西海岸は西海岸のマーケットを、東海岸は東海岸のマーケットをそれぞれ担当し、成長させていくといった形になります。西海岸で需要がとても伸びており、東海岸でも今後同じように成長していければと期待しています。

ロサンゼルス本社のトラック前にて現地の社員らと。2020年1月撮影

ー 貴社の強みとは。

弊社はSGホールディングスグループのネットワークを駆使した、グループの一貫輸送を強みにしています。アメリカから日本の会社まで、グループ会社全てで一貫して物流を行うことができるので、輸送のスピードを上げ高い品質のサービスを提供できます。

ー 先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL®(Go Advanced Logistics)」について教えてください。

GOALは2014年に始まった、弊社グループ内を横断したご提案をする物流課題解決の専門家チームです。弊社グループには宅配、倉庫事業、国際輸送、引越等、さまざまな輸送形態の事業会社があり、それらのサービスを総合的にご提案することでお客様の物流を効率化し、潜在的な物流課題もキャッチして最適なご提案をしています。例えば、アメリカから荷物を送り日本の倉庫で保管と仕分け、そこから日本のお客様に配送するとします。この場合、在庫保管や仕分けは日本またはアメリカの輸送のどの段階で行ったほうが効率的でコストセーブになるか、弊社グループで輸送を一貫して請け負うことで、ご提案ができます。

ー 木崎支店長のように、活躍されている女性社員は多いでしょうか。

私が日本で所属していた国際部門は特に女性が多く、約半数が女性という環境でした。最近は新入社員も女性のほうが多いこともありますし、管理職にも女性が就いています。また、産休、育休、そして育児中の時短制度が整っていることもあり、お子さんのいる女性社員も周りの協力を得ながら活躍しています。

ー 他に海外駐在されている女性社員はいますか。

実はあまり多くないのですが、例年女性の海外駐在員は1人か2人います。現在は私1人のみですが、同期も少し前まで台湾に駐在していました。

ー IT化やリモートワークへの取り組みについて教えてください。

コロナの感染拡大があって、日米ともリモート体制を早急に整えることができました。物流という業種柄、実際に手で荷物を触る立場の社員らは現場に出ないと仕事ができないためリモートワークは難しいですが、営業など内勤部門は日米両方で常にリモートで仕事ができる体制を整えています。ロサンゼルスのオフィスでも営業はリモートに切り替えています。

ー リモートワークが進んだことにより良かった点と悪かった点は。

時間の融通が利くようになったことは良かったです。日本本社やロサンゼルス本社とやりとりすることが多いのですが、東海岸が夜のときは日本が朝ですよね。このように時差に合わせて仕事をするため、長時間連続で仕事をしなければならないこともありました。リモートワークだと、自分で時間を調整しながら仕事ができるのがいいですね。ただ、リモートでもチームワークを強固にするため、電話やテレビ電話でコミュニケーションを図りますが、人と人のつながりが以前より少し薄くなっているようには感じます。

ー 海外で働きたいという希望は以前からありましたか。また、入社からどのような経緯でアメリカに来ましたか。

大学在学中に1年間アメリカのシアトルとサンフランシスコに留学しました。留学中、現地のスタートアップ企業でインターンシップを経験したこともあり、学生のころから将来は海外で働きたいという気持ちがありました。大学卒業後、SGホールディングスグループの傘下で国際事業を行っているSGHグローバル・ジャパン(株)に就職しました。入社して3年間は成田空港の航空輸送貨物を扱う部門で働いていました。成田空港のターミナルから5分ほどのところにある、飛行機から荷物を降ろして集荷する貨物ターミナル地区という場所です。その後は日本の東京本社で営業をしていました。2019年にニュージャージー新支店への配属が決まり、同年中に渡米。まずはロサンゼルス事務所で働いた後、新支店開業のタイミングでニュージャージーに異動となりました。

ー 営業時代のエピソードを教えてください。

欧米系のアパレル企業のキーアカウントマネジメントといって、大口顧客に対してのご提案などを行っていました。日本に進出して10年以上というお客様が新しく日本の販売チャネルを変えるタイミングで、複数のグループ会社を横断し共同で物流をご提案する機会があり、そこで物流の新しい仕組みを知ることができたときは、とてもやりがいがありました。 大変だったのは国籍が違うお客様と仕事をするときに、言葉だけでなく相手の心理まで読み解きながらコミュニケーションを図る必要があったことです。とにかく話しながら相手がどういうことを考えているのか理解し、だんだん分かってくるという感じでした。

ー 今後の目標は。

目の前の目標は支店を軌道に乗せていくことです。人を増やし、オペレーションなども自分たちでできるようにしていきたいです。今年からのスタートで結果を出さなければならないので、プレッシャーは感じますが、自分ができることをやっていくつもりです。まさに今が挑戦の時期だと思っています。

ー ニュージャージー支店への意気込みをお聞かせください。

今回ニュージャージー支店の支店長を任され、まだスタートしたばかりですが、東海岸の事業をこれからどのように発展させていくか、試行錯誤しながら取り組んでいきます。2020年は新型コロナウイルスの影響により今まで普通にできたことができなくなり、さまざまなことが急速に変化していきました。大変な状況下での支店開業となりましたが、社会の変化やお客様の変化にいち早く追いつき、自分たちの方向も軌道修正しながら常に進化していくつもりです。

ニューヨーク便利帳®︎vol.29本誌掲載
Interviewer: Mika Nomoto
Photographer: Masaki Hori
Editor: Miho Kanai
2020年10月13日取材