ニューヨークで住居を決定する際の注意事項


【監修】

リロ・リダック
川上 恵里子

住まい探しのチェックポイント

場所を選ぶ

不動産業者間の決まり文句として、「ロケーション、ロケーション、ロケーション」というフレーズがある。つまり不動産においては、場所がその価値を最も左右し、値段も例外なく場所で決まるということである。
どこがよい場所かというのは人によって異なるだろう。職場やコマーシャルエリアに近いマンハッタン近辺を選ぶか、自然に囲まれた郊外をよしとするかは個人の好みの領域である。シングルか、家族持ちかといった家族構成によっても異なるだろう。また、書店やスポーツ施設が近くにあるかなども人によっては判断基準のひとつである。
大切なのは、自分にとって何が必要不可欠なのかをよく考えて、ライフスタイルに合った場所を選ぶこと。
ニューヨークの治安は以前に比べて改善されたとはいえ、危険な地域は残っている。危険なエリアを避け、安全といわれるエリアでも場違いな格好や行動をしないよう注意したい。

安全性は問題ないか

アパートやコンドミニアムなどビルのユニットに住む場合、ドアマンがいるかどうかも大切なチェックポイント。ドアマンの態度や対応、来訪者をしっかり見ているかなどを、きっちりと観察しておきたい。入居後はドアマンと仲良くし、クリスマスにはホリデー・チップを渡して日頃の感謝の気持ちを表すこと。

ビルの場合、一般には上層階に行くほど安全(※)。これは非常階段などを使って、外部から侵入される可能性が低くなるためである。

また、入居後は鍵を新しい物に取り替えることをおすすめする。それによって、前のテナントが家主に鍵を返却していない場合に起こり得るトラブルを未然に防げるからである。また、家主には必ず鍵のコピーをひとつ渡しておくこと。

※比較的低いプリウォー(第二次世界大戦前に建てられた)のビルやブラウンストーン(19世紀末に建てられた褐色砂岩の建物)では不審者がフロントドアから入り、階段で屋上まで上り、ファイアーエスケープ(火災時の避難用階段)を下りて侵入してくるケースがあるため、上層階でも安全ではないといわれている。入居前には屋上の出入り口に鍵がかかっているか、またファイヤーエスケープに面した窓には内側から防犯用ゲートが施されているか必ず確認すること

ユニット(物件状況)を検証する

周辺エリアや治安環境をチェックした後はユニットの内部を検証する。全体の管理状況によって、ユニットの傷み具合は大きく変わってくる。

最も注意したいのは水回り。トイレ、キッチン、バスタブの水はけはよいか、水漏れはないか、お湯がちゃんと出るかなどを細かく見ておきたい。とくにシンクの下などに水漏れの跡があったら要注意。どこかで水漏れしている可能性があるからだ。

また、エアコンやヒーターがある場合は正常に動くか、洗濯機を取り付けるなら流水用の穴があるかも確認したい。収納スペースも大事なポイント。

探し方

情報収集の方法としては、圧倒的にウェブサイトが多いが、ほかにも新聞(ニューヨーク・タイムズ日曜版など)の住宅情報欄、日系食料品店、大学、スーパーマーケットやコインランドリーの掲示板、建物の直接広告(For Rentの表示)、友人同士の口コミなどがある。
ただし、自力でよい物件を探すことは難しく、不動産法や契約手続きがよくわからない人は、トラブルに巻き込まれる可能性もあるので注意が必要。

不動産会社(以下エージェント)に依頼するとほとんどの場合手数料がかかるが、希望エリアの物件をまとめて見せてもらえたり、交渉を代行してくれたりと、面倒になりがちな事柄の処理を手伝ってもらえるという利点がある。
また、英語にあまり自信のない人は、日本語が通じる不動産会社に頼むと安心だ。日本人向けの物件情報も多く持っており、子どもを持つ人が住居を決める際に重要なポイントとなる学校区の事情にも詳しい。トラブルが起こったときの対処などのアフターケアも充実している。
なお、アメリカではどこの不動産会社もほとんど同じ物件情報を共有しているので、不動産会社は1社に絞って見学するのが効果的だ。