ニューヨークで住居を借りる

賃貸物件のタイプ

アパート Apartment House

ニューヨークとその近郊のアパートは、レンタルビル(賃貸マンション)、コンドミニアム(分譲マンション)、コープ(住人が共同所有/運営するアパート)の3種類に分かれる。
とくに、マンハッタンのコンドミニアムやコープは規制の厳しいビルが多いので、早く入居したい場合や書類審査が簡単な方がよい場合などはレンタルビルの方がよい。
長く住みたい場合も、テナントがリニューアル・オプションを持つレンタルビルの方が融通が利く。

タイプはステュディオ(Studio=日本でいうワンルーム)や、1ベッドルーム、2ベッドルームといった居間プラス寝室の数で分けられている。

一戸建て House

独立してプライベートな生活を望む人には最適だが、安全は個人で管理しなければならないので、治安のよい場所を選ぶことが大切。ニューヨーク近郊の賃貸一戸建ては比較的古いため、安全の意味で窓やドアの立て付けおよび鍵がかかるかどうかの確認が必要。
芝刈りや庭の手入れが家賃に含まれていない場合はテナントの責任になるので、これも確認すること。また、除雪もテナントの責任である。

二世帯住宅 Two Family (Duplex)

一戸建てを縦、あるいは横に分けた物件。
一般的に一戸建てより築年数は浅く、庭の手入れなども一戸建てほど大変ではない。
プライバシーの面で多少制約される場合がある。

 

 

タウンハウス Town House

一戸建ての感覚で独立した集合住宅。なかにはプール、ジム、テニスコートの設備を備えたタウンハウスもある。
一戸建てより狭いが、庭の手入れなどの心配もないので、忙しい人には住みやすいかもしれない。
ただし、二世帯住宅同様プライバシーの面では、一戸建てに比べ多少制約されるであろう。

 

シェア Share

複数人が共同で、ひとつのユニットを借りて住むこと。
実際、ニューヨーカーの多くは家賃を分担しながらルームメイトと住んでいるが、リース契約上のトラブルも多いので、どのような人とシェアするかを慎重に考えることも大切なポイントだ。

サブレット Sublet

自分のユニットをさらに人に貸し出す、いわゆる又貸し。
数ヵ月の短期から、サマーサブレットと呼ばれる、夏場にバケーションで空いている家を貸し出すもの、また年間を通してサブリースを組むものもある。
ただし、サブレットが許されないビルや、事前に許可を取らなければならないビルも多いので要注意。

契約手順

交渉

気に入った物件が見つかったら、それを押さえたい旨を家主(あるいはエージェント)に伝え、契約内容について交渉する。賃貸料、賃貸期間、光熱費(電気・ガス・水道)、解約条件、入居前のダメージなどについて確認、交渉を行う。
また、ペットがいる人は飼えるかどうかを確認することも大切だ。最近はペットを飼えるビルが少なくなってきており、ペットの大きさに制限を持つところも多い。
これらの交渉はエージェントを通した方がやりやすい。
その後リース・アプリケーション(契約申込書)を提出して身元を証明し、アプリケーションフィー(申込料)を支払う。同時に家主はクレジット会社を通してテナントの信用調査を行う。デポジット(手付金)を要求される場合があるが、後でキャンセルした場合戻ってこないことが多いので、基本的な交渉は支払う前に行い、書面できちんと確認しておくこと。苦情は後からでも申し立てることはできるが、それにより契約条件を変更させることはほとんど不可能に近い。
何事も「初めが肝心」で「契約書社会」だということを心得ておこう。
入居後に起こる水漏れなどのトラブルに備え、テナントポリシーと呼ばれるテナント保険に入っておくとよい。

契約

契約書にサインしたら、最初の月の家賃と家賃1〜3ヵ月分のセキュリティーデポジット(日本でいう敷金にあたるもの)を支払う。仲介手数料はマンハッタンでは年間家賃の15%、郊外では家賃1ヵ月分を支払う。よって、最初に家賃の3〜6ヵ月半分の資金が必要。セキュリティーデポジットとは、家賃を滞納した場合やダメージを与えたときのために、家主が預かっておく保証金のこと。契約満了時に精算されて戻ってくる。

賃貸住宅の場合、他人の財産に住むことになるので、自ずと制約が生じてくる。
家主との関係で、自分の義務と権利は何かをよく知っておく必要がある。これらのことをお互いに確認するのが契約書である。これに書かれていることはお互いに了承済みとみなされるので、しっかりと読んで理解しておこう。契約に違反した場合、退去させられる場合もあり得る。

契約はふつう1、2年といった単位で取り交わされ、更新の度に家賃は再設定される。契約期間の長さによって値上げ幅に制限があるレント規制(レント・スタビライズ)を持つアパートもある。
また、更新は家主の事情でできないこともあるで、更新の意思がある場合には遅くとも契約満期60日前には家主に通知すること。

帰国など、やむを得ず契約途中で解約する場合を考えて、中途解約に対してペナルティーが付くか付かないかを確認することも必要。

入居前の手続き

ガス・電気

居住地域を管轄するガス・電気会社に連絡して新しい名義に変更してもらう。
賃貸の場合、家主や不動産会社が代行することもあるが、原則として入居する本人が行う。

電話で連絡するか直接オフィスへ行き、メーターをセットしてもらう。また、コンドミニアムなどではサブメーターがあり、家主から請求がくる場合もある。

開設時にソーシャル・セキュリティー・ナンバーを持っていない場合は、パスポート・ナンバーを告げることで開設可能。ただしこの場合デポジットとして100〜600ドルを要求されることもある。デポジットは自動的に翌月からの支払いに充当される場合が多い。

Con Edison of New York(ニューヨーク州ロングアイランド以外)
Tel (800) 752-6633

National Grid(ニューヨーク州)
Tel (718) 643-4050(NY市内)
Tel (800) 642-4272(アップステート)
Tel (800) 930-5003(ロングアイランド)

PSEG
Tel (800) 436-7734(ニュージャージー州)
Tel (800) 490-0025(ロングアイランド)

PECO(ペンシルベニア州フィラデルフィア)
Tel (800) 494-4000

Delmarva Power(デラウェア州)
Tel (800) 375-7117

電話・インターネット・ケーブルテレビ

現在、各社は電話、インターネット、ケーブルテレビをパッケージにしたトリプルプレイサービスを提供しており、これらのなかから自分のライフスタイルに合ったプランを選択するのが主流となっている。

希望のケーブル会社・サービスが決まったら、電話もしくはオンラインで申し込みをする(建物によっては、既にケーブル会社と提携しているところもある)。時期によっては、オンラインで契約すると、特典や割引を受けられる場合があるので要確認。

開設に必要な情報、氏名、新住所と部屋番号、連絡先電話番号(インストール前日に確認電話がかかってくることがある)、希望サービスプラン(テレビジャパンの視聴希望もこのときに追加する)、設定希望日時を伝える。

インストール当日までには、家電を揃えておく必要がある。ケーブル会社・サービス内容によって異なるが、当日、前払い分とデポジットを請求される場合もあるので(事前に通知あり)、パーソナルチェックを用意しておくと安心だ。

Optimum
Tel (718) 860-3513(ブロンクス、ブルックリン、ウエストチェスター)
Tel (973) 230-6046(ニュージャージー)
Tel (631) 393-0636(ロングアイランド)
Tel (203) 870-2583(コネティカット州)

RCN(ニューヨーク/ニュージャージー州)
Tel (800) 746-4726

Spectrum(ニューヨーク/ニュージャージー州)
Tel (833) 694-9256

Verizon(ニューヨーク/ニュージャージー州)
Tel (800) 837-4966

Xfinity
Tel (800) XFINITY (934-6489)

郵便物の転送届

郵便局備え付けの“Change of Address Form”で、住所変更と転送届の手続きをする。
フォームに古い住所と新住所、転送を開始してほしい月日を記入し、古い住所の管轄の郵便局に提出するか、郵送する。これをしておくと、古い住所に届いた手紙を新しい住所に転送してくれる。
手続きはオンラインでも可。

United States Postal Service

荷物用エレベーターの予約

アパートによっては荷物用エレベーターの設備があるので、大きな荷物を運ぶ際に利用するとよい。利用時には引越し業者の保険が必要な場合もあるので確認すること。月初、月末は混み合うので、早めに予約を入れよう。

【監修】
リロ・リダック
川上 恵里子