アメリカでの出産 6つの特徴

いよいよ赤ちゃんの誕生間近。
日本とアメリカの出産は大きく異なるので、無事にアメリカで赤ちゃんが生まれるように、事前に準備しておきましょう。

本記事では、アメリカで出する際の6つの特徴についてご紹介します。

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【監修】

ニューヨーク大学病院
産婦人科助教授
安西 弦

アメリカでの出産の特徴

アメリカでの出産までの流れは、日本と異なる点が多くあります。ここでは、アメリカで出産するときに覚えておきたい特徴をご紹介します。

オープンシステム

一般的に産科検診は個々の医師のオフィスで行いますが、分娩、出産は医師や助産師が提携している病院で行います。この制度のことをオープンシステムと呼びます。
個人の医師では設置できないような最新の医療器具や、熟練した病院スタッフを使える利点があります。
基本的に入院から出産まで、検診のときと同じ医師や助産師が付き添います。

入院期間

日本とアメリカの出産の大きな違いに入院期間の違いがあります。
日本では正常分娩の場合でも産後5〜6日は病院で過ごしますが、アメリカでは通常、産後2日目には退院します。帝王切開の場合でも手術後3〜4日で退院します。
その理由のひとつに、早く離床した方が回復が早いという医学的な根拠があります。
妊娠中および産後は血液が凝固しやすくなっており、ベッドに寝たきりになっていると、血管内に血栓(血液の固まり)ができることがあります。
非常にまれですが、この血栓が肺の血管に詰まり、肺梗塞を起こし、命にかかわることがあります。
この予防のためにも、ベッドから早く離れて歩くことを医師や看護師はすすめています。

また、アメリカでは医療費が高額なため、医療費抑制のために入院期間をできるだけ短くする傾向があります。

立ち会い分娩

アメリカでは夫の立ち会い出産がほとんどで、病院によってはカメラやビデオの持ち込みも自由にできます。
しかし、なかには血液を見るのが苦手な男性もいるので、事前に夫婦で相談しておくとよいでしょう。無理をせずに、待合室で待機する方法もあります。
夫だけではなく、母親や親しい友人などが立ち会う場合もあります。

無痛分娩

アメリカでは麻酔を使った無痛分娩で出産する人が多く、一般的にも安全なお産として認知されています。

最も一般的な産科麻酔に硬膜外麻酔(Epidural Anesthesia)があります。
硬膜外麻酔は背中の脊髄(硬膜)に麻酔を注入することによって、おなかから下の痛みを麻痺させ、産道の筋肉を弛緩させます。
麻酔は点滴によって補充されるので、長時間使用することができます。
痛みはほとんどなくなり、麻酔が赤ちゃんに移行する心配もありません。
また、全身麻酔ではないので意識がなくなったり眠ってしまうことがなく、お母さんは赤ちゃんを出産したという実感を(痛みなしに)味わうことができます。

この麻酔の際の合併症としては、麻酔の針が深く入り過ぎたときに硬膜を破り、麻酔後2〜3日ほど頭痛が続くことがあります。
分娩に与える影響としては、微弱陣痛になる傾向が多いようで、いきむ力が弱まるために、鉗子分娩・吸引分娩になる確率が高くなるという報告がありますが、実際にはあまり大きな違いはないようです。

麻酔に関しては、分娩時間の長さや陣痛の強弱など個人差が大きいので、前もって麻酔の使用、不使用を絶対的に決めておくのではなく、その場になって痛みが強く、分娩も長時間になりそうで、とても耐えられそうもなければ麻酔を使う、というように考える方がよいかもしれません。
ただし、麻酔の使用には承諾書などの書類にサインする必要があります。

帝王切開

アメリカでの帝王切開率は約25%以上。4人に1人は帝王切開で出産していることになります。
その理由にアメリカでは医療訴訟が多いために、医師がリスクを嫌って少しでも異常があると帝王切開で分娩させてしまうという現状があります。
しかし、医師によって帝王切開率は大きく異なるので、産科医を選択する際に、何割ぐらいの患者さんが帝王切開になりますかと質問してみるのも良いと思います。

余談ですが、帝王切開は英語でCesarean Section。
ローマ帝国のシーザー(カエサル)が、この方法で生まれたからだと言われていますが、おそらくこれは眉唾です。
当時の医療技術では、開腹手術をして母親が助かることは考えられないのに、シー ザーのお母さんは相当長生きをしたと聞いたことがあります。

入院中の看護

出産後、お母さんの痛みがひどいとき、アメリカでは飲み薬やスプレー式の鎮痛剤 を積極的に使います。
母乳や産後の回復には全く影響ないので、痛みを我慢する必要はありません。
少しでも快適な分娩、出産、産後を過ごせるようにしましょう。

また、日本と違い、産後の入院期間が短いアメリカでは、赤ちゃんの世話の仕方や 母乳の与え方などの細やかな指導まで受けられません。
出産以前に病院やバースセンターで開催している出産準備クラスを受けておくとよいでしょう。

赤ちゃんの沐浴ですが、日本では出産後すぐに沐浴させ、その後も毎日沐浴させる ことをすすめていますが、アメリカではへその緒が取れ、乾燥するまでは沐浴させずに、ガーゼで拭く程度にとどめています。


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