ニューヨークの学校へ入学する

ニューヨークの教育システムと、Pre-Kやキンダーガーデン、小学校、中学校、高校の概要・入学の方法についてご紹介します。

公立校の学年割

アメリカでは、小・中・高の学年割は日本のように国内で統一されているわけではなく、地域や学校によって異なる。
以下はアメリカの公立校の一般的な学年割。

入学申請

必要書類

※必要書類は学校により異なる場合があるので各学校へ確認すること

  1. 入学を希望する児童の年齢を証明する書類(出生証明書、パスポートなど)…1点
  2. 入学を希望する児童の保護者の住所を証明する書類(電気やガスの請求書、医療・健康保険カード、アパートの契約書など)…2点
  3. 予防接種の記録・健康診断書
    義務付けられている予防接種の種類は、学年によって異なる。予防接種を受けていないことを理由に入学を拒否されることはないが、登校できない。入学時に渡される予防接種のスケジュールや、小児科に確認すること。
  4. 成績証明書(Pre-K、キンダーガーテン、小学第1学年は除く)
  5. 海外の学校に在籍していた場合は、その成績証明書(英訳したもの)
    ※市民権や永住権を持たない、非移民ビザ保持者のみ

入学までの流れ

通常の公立校 Zoned School

ニューヨーク市は市の教育局(Department of Education=DOE)のもと32のスクールディストリクト(学校区)に区別され、さらにその中でスクールゾーン(通学区)に分けられている。
スクールゾーンはキャッチメント(Catchment)とも呼ばれ、その中にある学校はゾーンドスクール(Zoned School)、あるいはキャッチメントスクール(Catchment School)と呼ばれる。
越境入学は自分の居住区のスクールゾーン以外の学校(Out of Zone School)へ行くことを指す。

自分の居住区のスクールディストリクトとスクールゾーンは、ニューヨーク市教育局のウェブサイトか市の総合電話窓口311に電話して調べる。

▶︎ニューヨーク市内のスクール・ディストリクト・オフィス (Family Welcome Center)

Pre-K、キンダーへの新入学の場合

  1. ゾーン校(ゾーンドスクール)、ゾーン外の学校(後述のディストリワイド、シティーワイド校含む)で学校を選ぶ
  2. スクールツアー(学校見学)、オープンハウス(学校説明会)に参加する
  3. 期日までにオンラインで希望校に優先順位をつけて申し込む(例年1〜2月)
  4. 後日入学許可の通知がある。学校に子ども同伴で登録に必要な書類を持参して、登録する
  5. ゾーン校へは、ゾーン内に居住する児童は無条件に入学許可されるが、定員オーバーの場合は、ウエイトリストに載り、別の学校を指定されることもある

中途転入の場合(小学校・中学校)

  1. ゾーン校へ問い合わせ、空きがあればそのまま転入手続きをとる。中学校のゾーンは小学校と変わり、また、多くがディストリクトワイド校(後述)となる
  2. ゾーン校以外を希望する場合も、各学校へ問い合わせるが、必ず希望が通るとは限らない。学年途中の学校見学の有無は各学校の方針による

中途転入の場合(高校)

自分のディストリクトのファミリー・ウエルカム・センターへ連絡して登録する。しかし、ニューヨーク市の優良公立高校への転入は非常に難しい。

いずれの場合も英語を母国語としない児童は英語テスト(後述の「英語補助プログラム」参照)を受ける。

ディストリクトワイド District Wide / シティーワイド Citywide

ディストリクトワイドは、ゾーンのあるディストリクトに居住の児童が、ゾーンに関係なく入学できる学校。
シティーワイドは、ニューヨーク市5区に居住の児童が、ゾーンに関係なく入学できる学校。
後述のギフテッド&タレンテット(G&T)プログラムも含まれる。特徴のある学校が多く、テストやオーディションを実施する学校もある。

ギフテッド&タレンテッドプログラム Gifted & Talented Program (G&T)

高い知的能力を持つ児童を対象とした高度な内容の教育。
2種類のテストOLSAT(Otis-Lennon School Ability Test)とNNAT-2(Naglieri Nonverbal Abilities Test)で、スコア90パーセンタイル以上の児童のみが願書を出すことができる。
スコア97から99パーセンタイルの児童はシティーワイドG&TのThe Anderson School, NEST+m, TAG Young Scholar(以上マンハッタン)、The 30th Avenue School(クイーンズ)、Brooklyn School of Inquiry(ブルックリン)の5校とディストリクトG&Tプログラムへ、90から96パーセンタイルの児童はディストリクトG&Tプログラムのみへ願書が出せる。  

入学予定前年の10月に発表される「G&Tハンドブック」に沿ってテストの申し込みをする。受験料は無料。結果発表は翌年の春になる。90パーセンタイル以上のスコアを得た児童は願書に希望校に優先順位をつけて提出する。プレイスメントはスコアの高い順に抽選で行われるため、必ず入学が保証 されるものではない。合格しても、入学を辞退するこができる。

▶︎Gifted & Talented Education (G&T)

スペシャル・ミュージック・スクール Special Music School /M 859

音楽の英才教育を行っている公立学校。オーディションなど独自の選考を行っている。

ニューヨーク市教育局

Pre-K(プリ・キンダーガーデン)

アメリカのPre-K(Pre-Kindergは、広義には5歳で始まるキンダー以前のプログラムを表すが、公立教育ではキンダーの1年前の4歳児のためのプログラムに当たる。学費は無料。  

ニューヨーク市のPre-KはUniversal Pre-K(UPK)プログラムと呼ばれ、近年“Pre-K For ALL”の名のもと、市内のすべての4歳児の無料Pre-Kへの参加を目指している。
プログラムは公立学校に併設されている教室、市から委託された地域の教育機関(CommunityBased Organization=CBO)が運営するNew York City Early Education Center(NYCEES)、市教育局直轄のDOE Pre-Kセンターの各所で開設されている。
私立の幼児教育機関での4歳児向けプログラムはPre-Kでも有料になる。  

郊外のウエストチェスターやコネティカットでは公立小学校に併設されている場合もあるが、数はさほど多くない。

キンダーガーテン/小学校

キンダーガーテン(Kindergarten)は日本での幼稚園年長に相当する。通常、公立の小学校(Elementary School/Primary School)に併設されていることが多いため、実際には公立の小学校へ入学することと同じことになる。
対象は、入学予定年の1月1日から同年12月31日の間に5歳の誕生日を迎える児童だが、地域によって差がある。
ただし、コネティカット州では、1学年遅らせて入学したい場合は、スクールディストリクトにある教育委員会へ申し込むと6歳まで入学を延期することもできる。

中学校/高校

郊外では通学する学校区内の中学へそのまま進学する。ニューヨーク市では、公立中学、高校進学はほとんどが選抜制となる。ゾーンに居住していれば入学できる中学もあるが、すべての地区にはない。
ディストリクトワイドやシティーワイドの中学校を調べて、希望校を6校選び、期日までに公立学区在籍生徒は学校のガイダンスカウンセラーに願書を提出する。私立在校生はDOEのファミリー・ウエルカム・センターに提出する。
選考は中学進学は4学年時の、高校進学は7学年時の成績表、出席率、州統一コモンコアテストのスコアの総合評価にくわえ、面接、試験、オーディションなど、各学校によって選抜方法は多岐にわたる。

英語補助プログラム

アメリカにおける公立小学校以上の教育機関では、英語を母国語としない児童・生徒に対し、授業を理解できる英語力をつけるための授業が行われる。
入学手続きの際に家庭での使用言語、英語力が聞かれ、必要な児童には英語力を測るための英語テストが行われる。
英語補助クラスが必要とされた児童(English Language Learners=ELLs)は、各学校によって組まれたプログラムに沿ってクラスを受けることとなる。
これらのプログラムは、「English as a Second Language (ESL) Program」、「English to Speakers of Other Languages (ESOL) Program」などと呼ばれる。