福岡県を代表する日本茶ブランド「八女茶(福岡県八女市を中心に生産される高品質な日本茶)」の魅力をニューヨークで発信するプロモーションイベントが、マンハッタンの高級ホテルAman New Yorkで開催された。現地の食やお茶の専門家が集い、日本茶の可能性と世界市場への展望が語られた。
マンハッタンの高級ホテルAman New Yorkで12月16日、福岡県の八女茶をニューヨーカーに紹介するイベント「Yamecha x NAMA at Aman New York Pairing Lunch」が開催された。ニューヨークでの八女茶のプロモーションイベントはこれが4回目。
ゲストスピーカーとして、食やお茶のエキスパートであるマックス・フォルコウィッツ氏(ジェームズ・ビアード賞受賞ジャーナリスト)、スティーブン・レア氏(Aman at New York バー部門ディレクター)、ザック・マンガン氏(日本茶専門店Kettl創設者)、ディーン・フューアス氏(Sushi Nakazawa飲料部門責任者)が登壇。4人は今年11月に福岡県の茶畑や製茶工場を訪れた体験談を披露し、八女茶の魅力について意見を交わした。

八女茶プロモーションイベントに食とお茶の専門家として招かれた、(左から)マックス・フォルコウィッツ氏、スティーブン・レア氏、ザック・マンガン氏、ディーン・フューアス氏。八女市での茶畑や製茶工場訪問を振り返り、笑みがこぼれる場面も
マンガン氏は、八女市にオフィスを設立するなど本格的に八女茶の普及に関わる。福岡での体験を通じ、茶葉の採取から製茶までの工程、そして農園の人たちすべてが八女茶の魅力であると語り、八女茶への情熱をうかがわせた。
また、アメリカ市場では抹茶や主流ブランドの日本茶がすでに広く流通しているなかで、八女茶のようにまだ十分に知られていないブランドをいかに届けていくかが今後のテーマだとフューアス氏は指摘。そのうえで、アメリカ市場において八女茶が持つ潜在的な可能性の大きさに期待を寄せた。
福岡県農林水産部輸出促進課の課長補佐、高橋 忍氏は「世界の流行の最先端であるニューヨークで八女茶を広めることが、世界進出の一歩となれば」と抱負を述べた。

福岡県農林水産部輸出促進課の高橋 忍課長補佐が八女茶の魅力と世界進出への想いを語った
ディスカッション終了後にはホテル内の和食レストラン「NAMA」にて、総料理長の米丸琢馬氏による八女茶をテーマにしたペアリングランチが提供された。
この日用意されたドリンクは、烏龍茶のスパークリングウォーター、茎茶の煎茶、玉露の水出し、ほうじ茶と泡盛のカクテル、抹茶の計5種。それぞれのお茶が持つ香りや味わいの個性を引き出しながら、食事との組み合わせによって八女茶の可能性をさらに広げた。

Nama at Aman New York総料理長の米丸琢馬氏。ペアリングランチの料理を参加者に説明した
八女茶のほうじ茶と泡盛のカクテルはメインの鰻蒲焼丼とともに振る舞われ、甘さを抑えたたれで仕上げた鰻に、ほうじ茶の香ばしさが奥行きを与える一杯に。軽やかで切れのある後味が印象的で、意外性のある組み合わせが参加者らを魅了した。

前菜八寸盛り合わせとともに楽しむ、八女茶の茎茶の煎茶

八女茶の玉露の水出しは、鰤のカルパッチョとの組み合わせで

Nama at Aman New Yorkで提供された、八女茶のほうじ茶と泡盛のカクテル(左上)と、メインディッシュの鰻蒲焼丼
参加したオーストリア出身のインフルエンサー、マグダレーナ・アラーストーファーさんは、日本茶に興味を持ったきっかけについて「味だけではなく、お茶の作法やそこに生まれる雰囲気も魅力的。日本茶の文化に触れることで、より深くお茶の世界に引き込まれていった」と語った。初めて日本茶を口にしたのはのは10年前で、現在は世界各地の茶舗を巡るのが趣味だという。
八女茶の繊細な味わいと、その可能性にかける人々の情熱がニューヨークのテーブルに届いた今回のイベントは、福岡発の日本茶ブランドが世界へ羽ばたく一歩となった。

八女茶の風味を堪能する、Sushi Nakazawaの飲料部門責任者ディーン・フューアス氏
八女茶の歴史や製法については、福岡県八女茶の公式サイトで詳しく紹介されている。
八女茶公式サイト https://fukuoka-yamecha.jp/green-tea-yame/
今回のイベント会場となった和食レストラン「Nama at Aman New York」は、Aman New York内にあるレストラン。現在は、ホテル宿泊者およびAman Clubのファウンダーメンバーのみ利用可能。
Nama at Aman New York https://www.aman.com/hotels/aman-new-york/dining/nama
【取材/執筆】
編集部 Chihiro Abe


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