アメリカの主な携帯電話会社、携帯電話会社で契約をする方法、日本から持ち込んだ携帯端末の使用方法、日本へ一時帰国する際の携帯電話の使用方法などについてご紹介します。
※掲載内容は2018年10月時点のもの
アメリカの主な携帯電話会社
アメリカには代表的な携帯電話会社が4社(Verizon Wireless、AT&T、Sprint、T-Mobile)あり、各社独自のネットワークがあるため通信規格、カバーエリア、サービス、契約期間が異なる。
またこれら4社以外にもMVNO(仮想移動体通信事業者※)があり、格安のプリペイドサービスを提供している。Virgin MobileやMetro PCSなどが、大手キャリアより割安のサービスを提供している。
※携帯電話事業者の通信網を借りて、独自のサービスを提供している事業のこと
アメリカの携帯電話会社で契約をするには
携帯電話のサービス加入手続きは、各社店舗やウェブサイトから行うことが可能。携帯電話を契約する場合、大きく分けてふたつの種類がある。一般的な後払い制の契約の「ポストペイド」と前払い制の「プリペイド」だ。
ポストペイドサービスを契約する場合、一般的には18歳以上でソーシャル・セキュリティー・ナンバー、運転免許証などのID、クレジットヒストリーが必要となる。ポストペイドでは、アメリカ国内通話とテキスト無制限のプランが多く、月に利用するデータ通信量で料金プランが異なってくる。また、国際ローミングが使用できるなどのオプションサービス、無料通話分数やデータ通信量を契約した回線内でシェアすることができるファミリープランなど、プリペイドに比べ幅広いサービスを展開していることが多い。
一方、プリペイドサービスの利点は、契約時にソーシャル・セキュリティー・ナンバーやクレジット審査、デポジットが必要ないので、渡米直後でも容易に契約ができること。プリペイド契約のなかにもふたつのサービス形態があり、月極め基本料金を前払いするタイプと、通話可能時間があらかじめ決められたカードを購入し、自身で通話時間を追加していくタイプがある。同カードは各携帯電話会社の店舗以外にも市内のドラッグストアや家電量販店でも販売しているので、手軽に購入できる。
携帯電話の端末は、近年スマートフォンが主流となっており、AppleのiPhoneをはじめ、Samsung、LG、Googleが人気を集めている。
携帯電話会社によって通信方式が異なるため、各会社が販売している端末を購入する必要がある。前述の大手4社では、端末の全額払いまたは分割払いのオプションを提供している。ソーシャル・セキュリティー・ナンバーを保持していない場合、端末代金を契約時に全額支払うことになるケースもある。またクレジットヒストリーによって、契約時に支払う端末代金が異なる。
近年では、複数のキャリアで使用可能なSIMフリーの携帯端末をインターネットで購入することも可能となった。各携帯電話会社の通信方式が異なるため、規格が合っていないとLTEサービスなどが利用できないことがあるので、購入前には十分な確認が必要となる。
日本でSIMロックフリーの端末を使用していた場合、SIMロックを解除して持ち込むと、アメリカのSIMカードを利用して通話通信ができる。(詳しくは後述参照)
アメリカで携帯電話を契約・使用する際によくあるトラブルと対処
- 携帯電話が作動しないなどのトラブルに見舞われたとき、慌ててカスタマーサポートに電話したが、英語がわからず状況が伝わらないで困った経験を持つ人は多い。もし英語に不安があれば、日本語対応カスタマーサポートがある会社を選択することをおすすめする。
- 機種をアメリカで購入する際、日本語対応していない端末も多いので、必ず確認を。スマートフォンであれば、メールやテキスト用に日本語キーパットをアプリケーションなどで取り入れることも可能だが、本体に表示される日本語表記は、内蔵されていない限り取り入れることはできない。
- プリペイドタイプの携帯電話は、支払いをせずに一定期間が経過すると自動的に解約とみなされ、電話番号が失効するシステムが多い。とくにクレジットカードなどでの自動引き落としを利用した場合、知らぬ間に何らかの理由でサービスが止まってしまい、気付いたときにはもう番号が失効していた、という相談が多く寄せられる。一度失効した番号は取り戻せないので、新しい番号を作り直すことになる。月に数回は発着信の確認をするのが望ましい。
- 会社により通信サービスのカバー範囲が異なる。居住地域や自身の行動範囲における使用に支障がないかを確認するとよい。また、引っ越し先などがカバー範囲外となることもあるため、広範囲を移動する場合も確認することをおすすめする。
- 昨今、電話番号を変えずに他社のサービスに移行できることが広く知られるようになった。状況に合わせて自身の生活環境に合った会社に切り換え、より快適に利用できる便利なシステムだが、切り換え時に必要な情報が揃っておらず、想像以上に時間や料金がかかりストレスになることがある。スムーズな切り換えのために、以下をあらかじめ確認しておこう。
・ SSNや切り換え前のアカウントIDなど
・ 利用したい機種が切り換え先のSIMに合うか
・ 切り替え前の会社の最後の支払い方法など、移行手順
日系の携帯電話会社で契約をする
日系の携帯電話会社で契約する最大のメリットには日本語でカスタマーサポートが受けられるという点が挙げられる。さらに、通常アメリカの携帯電話会社で契約する際に必要となる、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーやデポジットが不要なため、渡米して間もない日本人にとって利用しやすい。
ニューヨークでは、マンハッタンの中心に位置するブックオフの店内にカウンターを構えるアメリカ携帯屋で携帯電話に関するサービスを提供している。
また、渡米前に日本で申し込みを行い機種を受け取れるサービスもある。アメリカの空港に到着してすぐに使えるので安心だ。海外携帯ICHIBAのウェブサイト、または電話にて申し込みが可能。
<渡米後のお申し込み>
アメリカ携帯屋 (h2o by KDDI Mobile 米国販売代理店)
Tel (212) 725-1730
月∼日 米国東海岸時間 11:00-19:00 (祝祭日は休業)
<渡米前のお申し込み>
海外携帯 ICHIBA (h2o by KDDI Mobile 日本販売代理店)
Tel (0120) 995-895
月∼金 11:00-18:00
日本から持ち込んだ携帯端末の使用方法
日本の総務省は2015年5月から「SIM ロック解除の義務化」を開始し、日本の携帯電話会社(au、NTTドコモ、ソフトバンク)の携帯端末のSIMロックを解除できるようになった。これにより、SIMロックが解除され、契約する通信会社の電波に対応する携帯端末を持っていれば、アメリカの携帯電話会社での契約が可能となる。
SIM ロックとは
SIMとは“Subscriber Identity Modulez”の略で、携帯端末に挿入して使用する小さいカードのこと。契約者に割り振られた固有の識別番号やメールアドレス、電話番号などが登録されている。
端末とSIMカードを発行する携帯会社をひもづける仕組みをSIMロックという。例えば、A社で契約した携帯端末本体がA社のSIMだけを認識するように設定をされている状態を「SIMロックされている」という。その場合、B社、C社など他社のSIMに入れ替えても「SIMが無効です」といったメッセージが出たり、圏外や通信サービスなしという状態になる。これは2年契約型、プリペイド型どちらにもあてはまる。
SIM ロック解除方法
SIMロックの解除方法は電話会社ごとに異なる。現在利用中の携帯電話会社の窓口やカスタマーサポートへの問い合わせ、またはウェブサイトやマイアカウントから確認を。
日本へ一時帰国する際の携帯電話の使用方法
1. 国際ローミング
国際ローミングができれば、アメリカの番号のまま通話やテキスト、インターネットが利用できる。
とくに煩雑な手続きなく使えるので大変便利である一方、発着信ともに国際通話料金がかかる場合がほとんど。頻繁に利用すると高額な支払いになる恐れがある。
日本在住の人と連絡を取る場合、国際ローミングは国際電話扱いとなるので相手にとっても高額になる、あるいは相手の電話が国際電話に対応していない場合もあるので不便なことが多い。
2. Wi-Fi
アメリカの携帯端末でも、Wi-Fiに接続すれば日本でインターネットの利用ができる。LINE、Facebook、Messengerなどに付随する通話サ ービスも利用でき便利。
ただし、日本は無料Wi-Fi環境がまだ十分に整っていないため、ポケットWi-Fiをレンタルすることでインターネットにいつでも接続できる。
また無料Wi-Fiは便利な反面、誰でもアクセスできることからハッキングされる可能性もあるため注意が必要。
3. レンタル携帯
事前にアメリカで携帯をレンタルしておけば、日本到着と同時にすぐ通話・通信ができる。使用頻度にもよるが、日本の回線を使用するため、アメリカの電話を国際ローミングして日本で使うよりも低価格なことが多い。
料金は日割りなので、返却日はたとえ少ししか使わなくても1日分の料金がかかる。
4. トラベル SIM
SIMカードを日本で購入し利用することで、料金が抑えられる。一般的にデータ通信用が多い。追加料金がかかる場合もあるが、日本国内で利用可能な電話番号を入手できるものもある。あらかじめ支払った料金や条件で利用するため、コストも低く抑えられ安心して使用できる。
使用の際の初期設定などは自身で行わないとならないことが多く、操作に慣れていない場合は多少複雑に感じられることがある。
利用条件として、以下が挙げられる。
- 利用したい機種がSIMフリーである、またはロックが解除されていること。
- 利用したい機種とSIMカードとの周波数 (GSM、CDMAのバンドなど)が合っていること。使用中の本体の周波数に関しては、本体購入時に同梱の説明書、各メーカーのウェブサイトに掲載の機種紹介、またはカスタマーサポートで確認を。
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