新型コロナウイルスの影響で経営破綻したアメリカ企業

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、世界の各都市が経済的損失を被っています。

アメリカでは3月中旬に国家非常事態宣言が出されると、政府は個人への給付金や失業保険上乗せ金、また中小企業を対象とした救済プログラム(PPP=Paycheck Protection Program)など当面の対策を素早く実行しましたが、消費の落ち込みに耐えきれず経営破綻に追い込まれる企業が相次いでいます。

以下は、新型コロナウイルスの影響で米連邦破産法11条(チャプター11)の適用申請をしたアメリカ企業の一例。専門家らは、これらは「氷山の一角にすぎない」との見方を示しています。

3/31 Dean & Deluca(レストラン・食品)

創業:1977年
本社所在地:カンザス州ウィチタ市

本店はマンハッタンのソーホー。高級食材や惣菜を販売し、日本や台湾など海外にも店舗を構える。近年は売り上げが落ち込み、2019年にはアメリカ本土の全店舗を閉店した。負債は5億ドルに上るとみられ、今後は経営再建を目指す。

4/13 True Religion Apparel(アパレル)

創業:2002年
本社所在地:カリフォルニア州マンハッタンビーチ

Photo: Clotee Pridgen Alloc…

主力商品は高品質のデニム生地を使ったジーンズ。世界50ヵ国で販売され日本でも若い女性を中心に人気を博したものの、2017年に一度経営破綻している。負債額は1億ドルから5億ドルとみられる。

5/4 J. Crew(アパレル)

創業:1947年
本社所在地:ニューヨーク州ニューヨーク市

Photo: Mike Mozart

高品質を売りにしたカジュアルファッションブランドであり、価格は比較的高額。アメリカ国内に約500店舗を構え、日本への出店歴もある(2008年に撤退)。姉妹ブランドMadewellも展開。負債額は1000億円から1兆円とみられ、今後は規模を縮小して店舗運営を継続するという。

5/4 Gold’s Gym(スポーツジム)

創業:1965年
本社所在地:テキサス州ダラス市

世界に約700店舗を展開するがアメリカ法人が運営する店舗はそのうち約10%。負債額は1億ドルとみられる。8月までに経営再建計画を提出する予定。

5/7 Neiman Marcus(百貨店)

創業:1907年
本社所在地:テキサス州ダラス市

©︎Y’s Publishing

アメリカ国内に約70店舗を展開する高級百貨店。2019年にはマンハッタンのハドソンヤードに出店し話題を集めたものの、今後は店舗数を約40に縮小する。負債額は55億ドルとみられる。

5/15 JCPenney(百貨店)

創業:1902年
本社所在地:テキサス州プレイノ市

Photo: Phillip Pessar from Miami, USA

アメリカ国内に約850店舗を展開する百貨店。ここ数年はネットショッピングやファストファッションに押され売り上げは低迷していた。負債額は10億ドルから100億ドルとみられる。縮小の第一弾として、全体の約2割の店舗を閉店する。

5/22 Hertz(レンタカー)

創業:1918年
本社所在地:フロリダ州エステロ

Photo: dhub limited

世界最大規模のレンタカー会社であり、アメリカでのトップシェアを誇る。負債額は187億ドルとみられ、子会社のDollarおよびThriftyを含め新CEOの下で経営再建を目指す。

5/27 Le Pain Quotidien(レストラン・食品)

創業:1990年
本社所在地:ニューヨーク州ニューヨーク市

Photo: Stephanie Kraus

北米、ヨーロッパ、アジアなど約20ヵ国で展開する、ベルギー・ブリュッセル初のカフェ&ベーカリーチェーン。ベルギーの親会社が倒産しアメリカ法人も後に続いた。アメリカの店舗はファイブ・ガイズ・バーガーやザ・リトル・ビートなどのファストフードレストランを運営するAurify Brandsに売却する。