乳がん、卵巣がん、子宮がん患者をサポートするSHARE日本語プログラム

アメリカで大病を患ったらどうしたらよいのか。アメリカで生活する日本人なら誰しも一度は考えたことがあるはず。

こんな不安を抱える日本人のために存在するのが、非営利団体SHAREの日本語プログラムだ。

SHARE日本語プログラムとは?

1976年にニューヨークで設立された非営利団体SHARE Cancer Supportを母体とし、乳がん、卵巣がん、さらに2020年からは子宮がんと診断された人も対象に、日本語であらゆるサポートを行っているSHARE日本語プログラム。

SHARE日本語プログラムは西海岸にもスタッフを置き、患者だけでなく、その家族からの相談も受け付けている。
医師や病院選びから、保険の知識、仕事と治療の両立、帰国すべきか否かまで、病気になったときの課題は尽きないが、乳がんなどの経験者であるスタッフが、自身や周りの経験を基に的確なアドバイスをしてくれる。スタッフが経験者ということは、患者や家族が安心して相談できる大きなポイントだ。ともに病と闘ってくれる存在がいると知れば、精神的な不安は軽減されるだろう。
また、ほかの経験者同士が心情を分かち合い、情報交換できる場としても機能している。

医療費の高いアメリカでは治療費の心配が付いて回るが、SHARE日本語プログラムはアメリカの医療システムにも精通しているため、医療費についても的確なアドバイスが受けられる。
アメリカでは、保険会社を通しているにもかかわらず、病院から患者本人に不当な請求書が送られてくることがあるが、こういったときの対応の仕方なども手伝ってくれるため心強い。
医療システムや不当請求についてのアドバイスは、乳がん、卵巣がん、子宮がんに限らずどんな病気の場合でも対象だ。

定期活動

月2回の定期患者サポートミーティングのほか、不定期で健康やアメリカの医療システムに関する勉強会も開催。

いずれも、ニューヨーク以外の州に住んでいる人や、日本に住んでいる人でも参加できる(2020年9月現在、新型コロナウイルス感染防止のためオンラインで開催中)。
サポートミーティングについての詳細やスケジュールはhttps://sharejp.org/support-meetingから閲覧できる。

正式プログラムとして承認

また、嬉しいニュースとして、SHARE日本語プログラムがこのほど、SHARE Cancer Supportの提供するサービスの一部門として正式に活動を認められることが決定した。
同団体には日本語以外にも多言語のプログラムがあるが、これまで日本語プログラムの活動のインパクトは全米を通して比較的に少ないため、予算も限られマンパワーのない中での活動だった。
今回スタッフとしてパートタイムではあるが2名の正式雇用が認められたことにより、アメリカの日本人コミュニティーにこの活動を根付かせる為の一歩となった。

 

SHARE日本語プログラム
Tel (347) 220-1110 ※9:00-17:00(東部時間)
admin@sharejp.org
https://sharejp.org
Facebook: www.facebook.com/sharejp.org
Twitter: twitter.com/SHARE_Japanese

【写真】SHARE日本語プログラムのスタッフ。中央は代表のブロディー愛子さん。2020年、ニューヨークのオフィスにて