日本と何が違う?知っておきたいアメリカで必要な子どもの予防接種と注意点

アメリカで子育てをする際、子どもの予防接種は気になるポイントのひとつ。接種時期や義務付けられているワクチンの種類など、州によってルールが異なる場合もあるため、事前に確認が重要です。ここでは日本との違いも踏まえて、アメリカで求められる主な予防接種についてご紹介します。

● DTaP(Diphtheria, Tetanus & Pertussis) ジフテリア、破傷風、百日咳の3種混合
1 回では免疫がつきにくいため、数回接種が必要です。11歳のときに追加接種Tdap(Tetanus, Diphtheria, Pertussis)を受けます。

● Hepatitis B B型肝炎
3回接種を必要とします。B型肝炎ウイルスに感染すると、キャリアとなってウイルスをずっと持ち続け、将来慢性肝炎、肝硬変、肝臓ガンになる確率が高くなります。また、劇症肝炎という死亡率の高い病気にかかることもあります。

● Hib(Haemophilus influenza type b) ヘモフィルス・インフルエンザ・タイプ b
乳幼児が感染すると、重篤な敗血症や髄膜炎の原因となります。これも数回接種します。

● HPV(Human Papilloma Virus) ヒューマン・パピローマ・ウイルス
ヒューマン・パピローマ・ウイルス子宮頸部細胞癌の予防接種。以前は女子のみが義務付けられていましたが、現在は男子、女子ともに接種が必要です。

● Influenza Vaccine インフルエンザ  
ウイルスによる重篤な病気です。このウイルスはインフルエンザにかかっている人の鼻やのどの粘液から他の人に感染します。予防接種は、インフルエンザにかかると肺炎など危険な病気を併発しやすいグループの人たちが対象になります。6カ月〜2歳までの小児、65歳以上の大人、妊娠中の女性、慢性疾患のある人、免疫機能の下がっている人たちなどです。通常、秋に接種をします。今までは、卵アレルギーのある人は接種できませんでしたが、現在は卵アレルギーの人でも接種できるタイプのものがあります。詳しくは、かかりつけ医に聞いてみましょう。

● Meningitis Vaccine 髄膜炎  
髄膜炎とは、脳と脊髄(髄膜)の感染症のことです。現在、ニューヨーク州とコネティカット州を含む多くの州で義務付けられており、7年生前に接種していなければなりません。ニューヨーク州では16歳以降に2回目の接種を受けます。

● MMR (Measles, Mumps & Rubella) はしか、おたふくかぜ、風疹  
日本では新3種混合と呼ばれていたものです。1歳以上で1回、4歳以上で2回の接種を必要とします。ナーサリーやキンダーガーテン、エレメンタリースクールの入学前に必ず要求されます。

● Pneumococcal Conjugate Vaccine(PCV or Prevnar) 肺炎球菌  
アメリカでは、肺炎球菌による病気は細菌性の髄膜炎を引 き起こすいちばんの原因となっています。その他、敗血症や中耳炎などの病気を引き起こす原因にもなります。5歳以下の小児の間では、年間に200例の死亡が報告されていますが、そのうち2歳以下の小児は特に危険率が高くなります。 肺炎球菌の予防接種は、健康な乳幼児の2、4、6カ月と12 〜15カ月の計4回行います。15カ月〜5歳まで一度も接種したことがない場合、接種が一度必要になります。

● Polio ポリオ(小児マヒ)  
ウイルスによって引き起こされる病気です。口から小児の体内に侵入します。深刻な病気に至らないこともありますが、なかには身体麻痺を起こすこともある病気です。アメリカでは、注射によるInactivated Poliovirus Vaccine(IPV)が用いられています。日本では、Oral Poliovirus Vaccine(OPV)が一般的でしたが、2012年8月以降は、アメリカ同様にIPVが用いられています。また、乳児の場合はDtap-IPV combination vaccinesが用いられています。

● Rotavirus Vaccine ロタウイルス  
ロタウイルスによって引き起こされる、嘔吐、下痢を予防するために2カ月、4カ月、6カ月の時期に2回か3回経口投与します。

● Varicella-Zoster (Chicken Pox) 水ぼうそう  
月齢12カ月までに水ぼうそうにかかった子どもはかかりつけ医に相談の上、受けなくてもよい場合があります。4 〜6歳 の時期に、2回目の接種を受けます。


〈アメリカの「コンビネーションワクチン」とは?〉
個別に接種するのと効果が同じで、接種回数を減らせるコンビネーションワクチン。2種以上のワクチンの化合体で、コンバックス(Comvax、HibとHeBの化合)と、テトラミューン(Tetramune、DPTとHibの化合)の2つがあります。詳しくは、かかりつけ医に相談してください。

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