コロナ禍でも好調なアメリカ企業

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で多くの企業が苦境に立たされる一方で、コロナ禍で業績を伸ばしている企業も多くあります。
小売店やサービス業が軒並み閉店を余儀なくされたなか、エッセンシャルビジネスとして営業を続けたスーパーマーケットやデリバリーサービスなどは現在もスタッフを増員し、売り上げは好調。
以下、コロナ禍でも好調なアメリカのビジネス及び企業名の一例(2020年6月時点)を紹介します。

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リモートワーク用ツール

Photo by Chris Montgomery on Unsplash

リモートワークでもオフィスと変わらずスムーズに仕事を進めるため、ビデオ会議やチャットのソフトおよびプラットフォームの利用者が急増。Zoom Video Communications, Inc.(本社所在地:カリフォルニア州サンノゼ)はコロナ禍でビデオ会議ツール「Zoom」の知名度を一気に上げ、その使いやすさからビジネス以外の需要も急増した。第1四半期の売上高は前年同期比から169%増の3億2820万ドルを記録。
ビジネスコ・ミュニケーション・プラットフォーム「Slack」を提供するSlack Technologies(本社所在地:カリフォルニア州サンフランシスコ)はコロナ禍に有料利用者が9000件増加。これは前期比プラス80%だという。また、1日当たりのメッセージ送信数は平均20%増加したという。

スーパーマーケット

Photo by Virginia Retail

エッセンシャルビジネスとしてコロナ禍でも営業できたスーパーマーケット。各都市で入店規制により入口に行列ができた光景も記憶に新しい。
大手スーパーチェーンKrogerを展開するThe Kroger Company(本社所在地:オハイオ州シンシナティ)は調理済み食品や除菌グッズの需要が伸び、3月の売上高は前年同月比で30%増加。
加えて第1四半期のオンラインショップの売上高は前期比から92%増という数字を叩き出した。

除菌グッズ

Photo by Mike Mozart

ハンドサニタイザー、除菌ワイプ、除菌スプレーなどの除菌グッズは今や感染予防に欠かせないアイテム。
クリーニング用品最大手のClorox(本社所在地:カリフォルニア州オークランド)は第1四半期の売上高を15%伸ばし、漂白剤と除菌ワイプに限るとその上昇率は32%に上るという。

家庭用ゲーム機/ゲームソフト

Photo by Mike Mozart

「引きこもり」生活の代表的な娯楽であるビデオゲーム。
シューティングゲーム「コール・オブ デューティ」シリーズで知られるビデオゲーム会社Activision Blizzard, Inc.(本社所在地:カリフォルニア州サンタモニカ)は第1四半期の売上高が前年同期比21%増の15億2000万ドル。
FIFAやNFLなどのスポーツゲームが人気のElectronic Arts Inc.(本社所在地:カリフォルニア州レッドウッド)も第1四半期の売上高を前年同期比で12%伸ばした。
また、Nintendo(本社所在地:ワシントン州レッドモンド)は第1四半期の売上高が前年同期の3倍だったと発表している。3月に発売されたゲームソフト「Animal Crossing: New Horizons」の販売が好調な他、ゲーム機「任天堂スイッチ」は品切れが続く人気ぶり。

家庭用エクササイズグッズ

Peloton社ウェブサイトのスクリーンショット

運動不足解消に自宅で運動や筋トレを始めた人も多いはず。
1台2000ドル以上するエアロバイクなど高級エクササイズマシンを販売するPeloton(本社所在地:ニューヨーク州ニューヨーク市)の第3四半期の売上高は前年同期比で66%増加し注目を集めた。
商品購入者が会員登録をし、マシンに設置されたモニターを通してレッスンが受けられるのが同社サービスの特徴。第2四半期の会員数は200万人、コロナ後の第3四半期は260万人と飛躍した。

ビヨンドミート(植物性代替肉)

Photo by UBC Media Relations

ベジタリアンやビーガンの間で人気のビヨンドミートは大豆などの植物を原材料とした代替肉。
Beyond Meat社(本社所在地:カリフォルニア州エルセグンド)が発表した第1四半期の売上高は前年同期比140%超えの9710万ドル。パンデミックの影響で国産肉の供給減が懸念されたことからビヨンドミートに注目が集まった他、中国市場への参入も大きく貢献したという。

家具

リモートワークが主流となり、多くの時間を自宅で過ごすようになると、より心地良い空間を求め部屋の模様替えをしたくなるはず。
Eコマースストアで家具やホームグッズを販売するWayfair(本社所在地:マサチューセッツ州ボストン)はセール品が多いことから家具好きの間で人気が高い。同社は第1四半期の売上高を前年同期比で20%伸ばした。

デートアプリ

Photo by Lyncconf Games

パートナーがいても、隔離生活の寂しさからデートアプリをダウンロードする人は少なくないという。
「Bumble」(Bumble Trading Inc./本社所在地:デラウェア州ウィルミントン)のメッセージ送信数はコロナ以前より20%以上増え、特にビデオチャット機能の利用者は3月の非常事態宣言発令後、93%増加したと発表している。
また、デートアプリ大手のMatch Group, Inc.(本社所在地:テキサス州ダラス)は第1四半期の純利益を前年同期比から30%伸ばしている。