ニューヨークでパスポートとクレジットカードを紛失した、吉本興業所属のお笑い芸人、銀シャリ・鰻 和弘さん。
海外旅行中に絶対に起こってはならないことが、なんとニューヨークで起きてしまった・・・・・。
当初はコロンビアとエクアドルの南米旅行だったものの、パスポートを紛失したため、トランジットで数時間だけの滞在になるはずだったニューヨークが、まさかの今回のメインの旅先となったのだった!
銀シャリの『オールナイトニッポンPODCAST 銀シャリのおトぎばなし』では鰻さんが2回分の放送で旅の話を事細かに語り、鰻さんのインスタグラムでは、旅の模様を毎日1投稿ずつ続け、なんと30日連続で投稿を発信。
鰻さんの旅の模様を伝えるインスタグラムは「めちゃくちゃ面白い!」「次の投稿が待ち遠しい!」「旅が終わらないでほしい!」とバズり、Yahoo!ニュースでも取り上げられるほど話題に!
今回、ポッドキャストや鰻さんのインスタグラムでも度々登場し、パスポートを見つけるまでのお手伝いをした「ニューヨーク便利帳」の編集部 ”阿部さん” がインタビュアーとなり、鰻さんに独占インタビューを敢行!
(ポッドキャストを聞いた方なら、もうお馴染みですよね!笑)
ポッドキャストやインスタグラムでは語られなかった旅の裏話と、自身が力を入れているアートの活動について語っていただきました!
“こんな失態は初めてでしたが、なんやかんや楽しかったです”
―銀シャリ・鰻 和弘
―改めて今回の旅を振り返ってみていかがでしたか?
銀シャリ・鰻さん(以下、鰻):今まで海外10カ国ほど旅行してきましたが、パスポートをなくすなんて失態は初めてなんです!だからめちゃめちゃショックでした・・・。ただパスポートを紛失してからの切り替えは早かったので、自分でも驚いています(笑)タイムズスクエアでパスポートを失くしたと気づいた瞬間はもちろんショックだったんですが、その時は「何とかなるやろ!」と少し思っていました。あと「ここがタイムズスクエアか!」という感じで興奮状態だったこともあり、ショックが少し緩和されていましたね。
実は今回の旅で一番ショックだった瞬間は、コメディークラブに朝11時に阿部さんと訪れた際に、「コメディークラブがオープンするのは夕方5時よ」と系列のレストランの店員さんに言われた瞬間でした。「あと6時間もあんのかい!どうしよ!」って思いました。喫茶店で阿部さんと1時間弱話した後に眠気とパスポートがないという現実が襲いかかり、なんか変なタイミングでショックでした(笑)
でも振り返ってみると、なんやかんや楽しかったですね!

―Yahoo!ニュースにも取り上げられて、インスタグラムでの反響はすごかったですね!
鰻:すごいありがたかったです!でも、ニュースが流れた時やインスタグラムの投稿をした時がリアルタイムで起こっていることだと勘違いされた方が多かったみたいで、すごく心配されました(笑)びっくりしたのが、今回インスタグラムで投稿したら、投稿を見たアメリカ在住者から沢山のDMが来ました!ニューヨーク、テキサス、アトランタ、ケンタッキーなどにいらっしゃる方から、「またアメリカに来てください!」みたいな。
―今回の旅は作られているんじゃないかというぐらい、すごい展開です!
鰻:最終的にヒューストンで旅の手助けをしてくれたヒューストン在住の奥様とご飯に行かせていただいて、ご主人がコロンビアのボゴタ出身と聞いた時、「これはすごいな!」とさすがに思いましたね!僕が行こうとしていたボゴタ出身の人にこんな短期間でアメリカで会うことあります?(笑)ご主人もボゴタの話をしてくださり、ボゴタの写真を沢山見せてもらったんです。なのでなんとなく街の雰囲気がわかったので、行かずしても行った気になれたな!という感じは少しありました(笑)
―アメリカで他に行ってみたい街や場所はありますか?
鰻:帰りの飛行機に乗っている時に、ここ行きたかったなという街はありましたね。カントリーミュージックで有名なナッシュビルには行ってみたいです!あとは、ノースカロライナに訪れた際に、無理してでもライト兄弟のメモリアルに行けばよかったなと後悔しています。ただ、滞在していた場所からは真逆だったんですよ。時間的にどうしても難しく断念しました。あと、阿部さんがおすすめしてくれたバッキーズですね!ここもタイムアップで訪れることができませんでした。
あとやっぱり、バイクいりますね!ダラスにも行きたかったですし、カウボーイの格好もしてみたかったです。
それにしてもアメリカは広いですよね!阿部さんに「電車でニューヨークからヒューストンに行けないですか?」って尋ねたら、「鰻さん、何考えてるんですか(笑)」って言われましたが、実際に訪れてみて、あの時ほんま何を言うてたんやろって思います(笑)正直あんなにアメリカが大きいとは思いませんでした!
本当は五大陸全てを旅するという最後にアメリカを取っておいていたんです。実はアメリカがすごい好きで、中学生の時にアメリカ人になりたいと思っていたこともあるんです(笑)「なんで自分がアメリカ人じゃないんだ!」と思ったことすらありましたね。なのでアメリカに憧れみたいなのがありました。何も知らずに初めて見た方が感動すると思ったので、そこからは情報をなるべく仕入れないようにしています。旅は事前に計画して行くよりも、その土地を訪れてから調べて行く方が好きですね。

―ニューヨークで行きたいところや、やってみたいことはありますか?
鰻:証券取引所は絶対行きたいですね!あと自由の女神も一度は見てみたいです。よくミュージックビデオに出てくるブルックリンブリッジとかアパートの3段くらいある階段のところも見てみたいです。
あとは道路から出ている湯気の正体を知りたいです!無臭でしたけど、あれなんなんですかね。
一番やってみたいことは、マンハッタンでジョギングです!土曜日の朝だったからなのか、セントラルパークを訪れた時、走っている人がめちゃくちゃいましたね。あんなにジョギングしている人が多いと思わなかったです。
―今回は意図せずして面白いネタもできて、本当に色々な経験をされましたね!
鰻:それにしても今回はタクシーにぼったくられすぎました(笑)今までヨーロッパとかアフリカを旅行して、一回もそんなことなかったんです。アメリカで何発ぼったくられたかわからないですけど、クレジットカードの請求が怖すぎますね。
実は巨大空港から動くということが今回のニューヨークが初めてだったんです。もちろんUberを頼めばぼったくりにもあわなかったと思うんですけど、それには理由があるんです。巨大空港の時のUberの乗り場がわからないんですよ!アフリカの空港でUberを呼んだ時に、Uberのピンがずれてしまってドライバーと落ち合えず、ドライバーから電話かかってきたんですか何を喋ってるかわからなかったので結局落ち合えなかったんです。その時の経験もあったので、ニューヨークではUberではなくタクシーに乗るしかないなとなりましたね。で、それがことごとく乗るたびにぼったくられるという(笑)途中でガソリンを入れたドライバーもいましたが、そのガソリン代も入れられてんちゃうか!というくらいびっくりする金額でした。
“3パターンのアートが準備できたら、ニューヨークで個展をやりたいですね”
―銀シャリ・鰻 和弘
―いつかニューヨークでアートの個展を開催したいというお話も伺いました!
鰻:当初はフランスで個展をやれたらなと思ったこともあったんです。でも自分の作品を考えた時、現代アートの分類に入ると思うのでニューヨークもありなんかなと思いました。今回ニューヨークに実際に足を運んでみて、いかに色んな人種の方々がいらっしゃるっていうのを目の当たりにして、ニューヨークは世界の縮図みたいになっているなと感じました。パスポートが見つかった後に阿部さんと行ったWashington Square Parkでそんな風に思いましたね!ここ来たら世界の人種が全部揃うんちゃうかと思ったくらいです。なのでニューヨークで個展を開催すればいろんな人の反応を見れるんじゃないかなと思っています。
個展を開催する前には、アートのコンクールに出展するのも面白いのかなと考えています。どんだけ小さいコンクールでも何か賞を獲得して多少でも話題になってからの方がいいんじゃないかなと。おそらく個展は一回きりのチャンスになると思うので、とにかく全力でぶつかっていきたいなと思っています。何度も個展を開催したいという感じではないんです。というのも、自分の性格上、他にやりたいことがきっと沢山出てくると思いますし、一回やってしまうと満足してしまう自分がいるんです。
いずれにせよ、自分の作品が3パターン揃ったら個展はやりたいと思います。今回の旅の縁もありますしニューヨークで個展をやりたいです。阿部さん、その時は頼みますね!(笑)
―鰻さんのアートについて詳しく教えてください!
鰻:今は2パターンのアートがすでにできていて、一つは『乳首アート』、もう一つは『髪の毛アート』です。
『乳首アート』は風呂上がりに洗面台の鏡を見た時に、乳首がセグウェイのタイヤに見えた瞬間があったんです。そしてペンでちょっと絵を描いてみたら、「セグウェイのタイヤや!」ってなったんです。もし上手に描けたら、上手いこと乳首を誤魔化せるような感じがして、乳首にコンプレックスがある人でも絵を描いたらかっこよくなるんじゃないかなと思いました!これまでに300作品くらいは作りましたね。

『髪の毛アート』のきっかけはコロナ禍の時でした。仕事の休みが増えて、今までうっすら抱いていたのもあったのですが、全身の毛を剃ってみようと思ったんです。「今がチャンスや!」と思って、まず腕と足の体毛を剃りました。その時に排水溝に流れていく毛を見て、なんかもったいないなと感じたんです。そしてすぐさまキッチンペーパーを持ってきて排水溝に敷いて、毛が流れないようにしました。濡れた体毛を天日干ししたらペーパー2枚分になったんです。でも半日後に見に行ったら一枚飛んでいっちゃいましたね(笑)残った一枚を見て、「これで絵を描けないかな?」と思ったんです。自分が鰻という名字なんで、うなぎの形に毛を乗せていったら絵になるんじゃないかと思ったんですが、出来上がりがものすごく気持ち悪かったんです(笑)

それから月日が経ち、2年後に散髪に行った時でした。落ちた髪の毛ってどういう処理をしているか美容師さんに尋ねたんです。そしたら業者が持って行って捨ててるんです、と。その時にもったいないなって思いました。元々、似顔絵をよく描いていたのもあったのですが、似顔絵に人の毛を乗せられるんじゃないかって思ったんです。ちょうどレジン(樹脂)をアートに使ってみたいと思っていた時期で、レジンを流し込んだら気持ち悪さが軽減されるんじゃないかなと。
そこでまず、角刈りなので作りやすそうかなと思って、後輩のミルクボーイの内海くんに電話して髪の毛を欲しいと伝えました。「なんでですか?(笑)」と3、4回くらい聞かれましたけど、散髪代を払うとお伝えして無事にもらうことができました。それで作ってみたら、ちょうど自分が思い描いていた気持ち悪さと神秘的な感じが絶妙に混ざり合ったものができたんです。極め付けに、エジプト行った時にミイラを見て、毛ってこんなに残るんやと思いました。

―2つのアートはすでに確定ですね!3つ目のアートの構想は何かあるのでしょうか?
鰻:3つ目は変わったアートではなくて、普通の絵もありなんじゃないかなと考えています。無理矢理全部変わったものにしなくてもいいんじゃないかなと。あとは4コマ漫画がアメリカではどういう反応になるのかとても興味がありますね。僕が作る4コマ漫画は文章がすごく少なくて、ほぼ絵で伝えるようなイメージです。まだ決めきれていない部分はありますが、何かいいものができたらいいなと思います!
―今後の活動が本当に楽しみです!
鰻:今のところ言い出したことは全部できているんです。「諦めへんかったらできんねやろな!」って思っています。アースヒューマンとしては、宇宙も行きたいですしね!あとは南極も行っておかないとなと思いますし。やっぱり五大陸を旅してから宇宙に行って、地球を見たいですね。そこでアースヒューマンとしての夢は完結するんじゃないかなと思っています。その後は海底の方に興味を持つかもしれませんし、次に何に興味を持つのかはわからないですね。もちろん、根底としてはお笑いが大事なので、ずっと漫才はやり続けます!
後に漫才ツアーを飛行機で行けるように、今はセスナの免許取得に向けて訓練に通っています。免許取得までにはあと2年ほどかかりそうなんですが、元々は単純に空を飛びたいな!って思ったからなんです。ただ、トータルでは1,000万円近くかかるらしいです!なので生半可な感じではできないですね(笑)
―鰻さんにとって“旅”とは何でしょうか?
鰻:なんなんでしょうね・・・。やっぱり旅ってドキドキさせてくれます。大人の青春ですかね。今の年齢になってくると恋愛で一目惚れってないじゃないですか。でも旅って、訪れた街だったり場所だったり、一目惚れすることがあるんです。大人になると全部わかってきて、知らなくても予想して何となしに生きてしまうことって多いと思うんですよ。でも旅ってその感覚を一度リセットできるなって。いい意味で子どもに戻れるというか、自分の感覚を元に戻せるという感じがしています。

銀シャリさんのYouTubeや鰻さん、橋本さんのインスタグラムもぜひチェックしてみてください!
ポッドキャストで今回の鰻さんの旅行の話をまだ聴いていないという方は、radikoで必聴です!
ep.227(鰻さんの南米?旅行の話①)とep.228(鰻さんの南米?旅行の話②)が今回の旅行の話になっています!
【YouTube】
銀シャリチャンネル
【インスタグラム】
銀シャリ:@ginshari_official
鰻 和弘さん:@unaginigaoe
橋本 直さん:@kome_kome_kome0927
【ポッドキャスト】
銀シャリのおトぎばなし〔オールナイトニッポンPODCAST〕
radikoでは過去回も含めた全エピソードをお聴きいただけます。
文/写真: Hisashi Abe
(アートの写真は本人提供)