【海外で活躍する日本のバンド】メイド姿の5人組・BAND-MAIDの勢いがすごい

メイド姿の5人組ガールズバンド・BAND-MAIDの北米12ヶ所をまわるUSツアーに行ってきた。

Photo by FG5

惹きつけられるのは容姿だけでなく抜群の音楽スキルで、その実力はロック誌や海外メディアからの評価も高い。10月にカリフォルニア州サクラメントで開催された大型フェス『Aftershock Festival』ではKISSやFoo Fightersなどの名だたるハードロックバンドたちと肩を並べ、ステージに1万人超のオーディエンスを集めるほどの人気ぶり。

お給仕(ライブの呼称)がおこなわれたのは、過去の記事でも紹介したバンド好きには欠かせないマンハッタンのライブハウス・Irving Plaza(アービングプラザ)。スタッズ付きの革ジャンやロックTシャツの他、バンドの正装でもあるメイド服に身をまとったファンも多く見受けられた。

フロアは後ろの方まで人でぎっしりと埋まり、開演直前には“BAND-MAID! BAND-MAID!”と情熱的なラブコールが起こった。メンバーが一人ずつ笑顔でステージに登場しそれぞれの位置につくと、一気に鋭い表情へと変わってお給仕がスタート。曲に合わせて力強く拳を振り上げるオーディエンスに向かってSAIKI(Vo.)が“Are you ready?!” とさらに煽ってゆく。

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バンドの中心に立つ小鳩ミク(Gt./Vo.)による恒例の挨拶“お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様”も、ここでは“Welcome home, masters and princesses!”と英語に。お給仕中盤の各メンバーのソロパートも目が離せなかった。AKANE(Dr.)のパワフルなドラミング、MISA(Ba.)の激しい指弾き、そしてKANAMI(Gt.)のギタープレイはとにかく鳥肌もの。ワイルドな佇まいに、もう惚れ惚れ。

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バンドの中心に立つ小鳩ミク(Gt.)はここで、”世界で2本しかない特別なギターをお見せします!”と一本のギターを持ち込んだ。T. Rexやデヴィット・ボウイなどの楽曲を手掛けたニューヨーク出身の音楽プロデューサーTony Viscontiのギターだ。当日会場にも駆けつけたTonyはかつて、BAND-MAIDのトラックをプロデュースしたことがある。

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トークパートでは“Japanese lesson time”と称して、日本語を教える節があった。日本のバンドがアメリカでライブをおこなうときは、英詞の曲でトークも英語、といった現地のファン向けのステージづくりが定番だが、異国の地に”寄せる”だけでなく、しっかり日本語で戦っている感じがすごく良かった。

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そのせいか、フロアからは終始“サイコー!”“アイシテルー!”などのワードが飛び交っていた。中には“オレト結婚オネガイシマース!”なんて声も。日本語の声援を聞くことが心地よい違和感だった。英語圏のアメリカでも、今やラテン音楽やK-POPがアワードにノミネートされるくらい受け入れられているのだから、それに次いで日本語もコミットしてほしいものだ。

来年で結成10周年を迎えるBAND-MAIDは早くも2023年のワールドツアー開催を吉報としてこの場に残した。飛ぶ鳥を落とす勢いで世界のロックシーンにのめり込んでゆく彼女たちに乞うご期待!

■BAND-MAID
https://bandmaid.tokyo/

■Irving Plaza
17 Irving Pl, New York, NY 10003

Written by Megumi