今年も5万人以上が完走!ニューヨークシティマラソン 2018

ニューヨーク市で11月4日、ニューヨークシティマラソン(TCS New York City Marathon 2018)が開催されました。

同大会には毎年約5万人が参加。選手たちはスタテンアイランドを出発し、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクスを通過してゴール地点であるマンハッタンのセントラルパークを目指します。

【取材/執筆】

ニューヨーク便利帳
編集部
金井 美帆 
ニューヨーク在住歴:6年

この日の天気は朝から晴れ。気温は10度前後で推移し、空気は冷たいものの視界は良好と、まさにマラソン日和! 午前8時30分の車椅子プロを皮切りに、時間差で手漕ぎ自転車と障害者、女子プロ、男子プロと一般、という流れでそれぞれスタートを切ります。

市内各所で観戦することができますが、私は毎年、よりゴールに近い場所で観戦。今年は、トップ選手を公園内で見届けた後に、セントラルパークサウスに移動、というルートです。

4日午後2時ごろ、マンハッタンのハーレムで撮影

午前11時を過ぎたところで、手漕ぎ自転車のトップ選手がセントラルパークに入ってきました。前に進むためには並大抵ではない手と腕の力が必要となる手漕ぎ自転車。選手の体を近くで見ると、腹筋や背筋がかなり鍛えられているのが分かり、スピードも想像以上に早いです。

同11時40ごろになると、女子のトップ選手が見えてきました。メアリー・ケイタニー選手(36、ケニア)です。ケイタニー選手は2014、15、16年の同大会で優勝した大本命。2位以下を大きく離してそのままゴールテープを切り、4度目の優勝を飾りました。

それから程なくして、今度は男子のトップ選手です。レリサ・デシサ選手(28、エチオピア)と、そのすぐ後ろにはシュラ・キタタ選手(22、エチオピア)の姿が見えます。13年と15年にボストンマラソンを制覇しているものの、ニューヨークでは優勝未経験のデシサ選手が同郷の後輩を2秒差でおさえ、待望の王者の座に輝きました。

デシサ選手とケイタニー選手ともに、同大会史上2番目の好タイムという快挙。勝利を確信したトップ選手の力強い走りは圧巻でした。

昨年、米国人選手として40年ぶりに優勝した女子のシャーレーン・フラガナン選手(37)は今年は3位。日本人選手の最高位は、車椅子部門が6位のトモキ・スズキさん。女子部門ではリサ・スズキさんが53位に入りました。

それぞれのトップ集団が一通りゴールし、午後になると一般参加者の集団が続きます。

4日午後2時ごろ、マンハッタンのハーレムで撮影

私がゴール近くで観戦する理由は、実はここからの展開にあります。

25マイルも走ると最後は体力よりも気力。苦しい表情を浮かべながらも目前に迫るゴールを目指して最後の力を振り絞るランナーや、限界に達し足が止まりそうなランナーなど、たくさんのドラマが生まれます。

経験者も未経験者もみな、沿道からの応援をエネルギーにしてひたすら前に進む。観戦者もまた、見ず知らずのランナーを自然と応援しているのです。

世界中から集まったランナーを世界中から集まった人々が応援する、とてもニューヨークらしいイベントを通してニューヨークの町がひとつになるところが、このイベントの醍醐味ではないでしょうか。

今年の完走者は全ての部門を合わせて5万2812人。ランナーのみなさん、お疲れ様でした。