アート好き必見の定番から穴場まで!ニューヨークで訪れるべき美術館12選【マンハッタン編】

ニューヨークのマンハッタンにある美術館をご紹介します。世界各国から集められた名作と、ニューヨークならではのアートを思う存分鑑賞しよう!

※季節により開館日時が異なる場合があるので事前にウェブサイトを確認のこと

世界に誇る文化遺産の宝
メトロポリタン美術館 The Metropolitan Museum of Art (Met)

通称「メット」。ロシアのエルミタージュ美術館、パリのルーブル美術館と並ぶ、世界3大美術館のひとつ。古代から現代までの世界文化を代表する幅広い美術作品を所蔵。その数なんと300万点を超える。市内北部のフォート・トライオン・パークには、中世ヨーロッパ美術を専門に扱う分館、クロイスターズ(後述)がある。企画展も追加料金なしで見られるほか、イベントも多く開催している。2016年には、旧ホイットニー美術館に現代美術を集めた分館、メット・ブロイヤー(at Madison Ave & 75th St)が開館。モダニズムの巨匠マルセル・ブロイヤーのデザインによる個性的な外観も人気。歩いてすぐなので、ぜひ足を運んでみよう。

メトロポリタン美術館 The Metropolitan Museum of Art (Met)
1000 5th Ave (at 82nd St)
Tel (212) 535-7710
日〜火・木 10:00-17:00 金・土 10:00-21:00 水曜は休館日
大人30ドル、65歳以上22ドル、学生17ドル、12歳未満無料
※同日中はクロイスターズ、ブロイヤーともに共通入場可
❹❺❻86 St

モダンアートの総本山
ニューヨーク近代美術館 The Museum of Modern Art (MoMA)

通称「モマ」。建物の設計は日本人建築家・谷口吉生氏。ピカソやマティス、モネ、ゴッホ、ウォーホルといった巨匠の絵画、彫刻作品はもちろん、ドローイング、メディア、フィルム、建築・デザイン、写真、版画・挿画本など、近代美術のそうそうたるコレクション15万点以上を所有する。建物の中心には彫刻庭園も。また、館内には市内に有名レストランを多数持つダニー・マイヤー氏が手掛ける一流レストラン「ザ・モダーン」もある。世界の優れたデザイングッズが揃うモマ・デザイン&ブックストアと、向かいにあるモマ・デザインストアは要チェック。お土産探しにも最適。7・8月、彫刻庭園(雨天時はシアター1 or 2)で毎週木曜16:00~20:00に開催される「MoMA Nights」はローカルからインターナショナルまでさまざまなジャンルのアーティストたちによるライブとお酒が楽しめる。

ニューヨーク近代美術館 The Museum of Modern Art (MoMA)
11 W. 53rd St (bet 5th & 6th Aves)
Tel (212) 708-9400
月〜日 10:30-17:30 金 10:30-20:00
大人30ドル、65歳以上22ドル、学生17ドル、16歳未満無料、金曜日17:30以降はNY在住者のみ無料
※7・8月のみ木曜無料
※14日以内であれば、モマ・ピーエスワン(後述)にも入場可
ⒺⓂ5 Av/53 St

混雑が避けられる午後がオススメ
ホイットニー美術館 Whitney Museum of American Art

著名なイタリア人建築家レンゾ・ピアノ氏の設計による新ホイットニー美術館は、2015年春、ニューヨークの名所ハイラインの南端、ハドソン川を間近に望む一角に完成した要注目スポット。正門はハイラインを通じ、膨大なコレクションの常設展、広々としたオープンスペースと、建物のなかにはエデュケーション・センターやビデオ上映、アウトドア・ギャラリーとしてのパフォーマンス・スペースなどを擁する。1階にはグラマシー・タバーンのマイケル・アンソニーが手がける高級レストラン「アンタイトルド」がある。

ホイットニー美術館 Whitney Museum of American Art
99 Gansevoort St (bet Washington St & 10th Ave)
Tel (212) 570-3600
月・水・木・日 10:30-22:00 金・土 10:30-22:00
大人30ドル、65歳以上・学生24ドル、25歳以下無料、金曜日17時以降は希望する金額で入館可
ⒶⒸⒺⓁ14 St

五番街のランドマーク
グッゲンハイム美術館 Solomon R. Guggenheim Museum


「かたつむりの殻」と形容されるユニークな建物は、近代建築3大巨匠フランク・ロイド・ライトによる設計。斬新な建築美で有名なニューヨークを代表する美術館。中央部分の大きな吹き抜けを軸にゆるやかな螺旋状の回路が上まで続いており、ここで企画展が行われる。ピカソやシャガール、カンディンスキーなどの傑作が揃う常設展は、本館脇の新館にて展示。また、ベスト・レストラン・デザインアワードを受賞したことのある館内のレストラン「ザ・ライト」のインテリアにも注目。スペインのビルバオ、イタリアのベニス、アラブ首長国連邦のアブダビにそれぞれ分館がある。

グッゲンハイム美術館 Solomon R. Guggenheim Museum
1071 5th Ave (at 89th St)
Tel (212) 423-3500
月~水・金・日 10:00-17:45 土 10:00-19:45(夏期は火曜21:00まで)
大人25ドル、65歳以上・学生18ドル、12歳未満無料、土曜17:45以降は任意
❹❺❻86 St / Ⓠ86 St

メトロポリタン美術館の分館
クロイスターズ The Met Cloisters

中世ヨーロッパ美術、および建築を扱うメトロポリタン美術館の分館。マンハッタンの最北、ハドソン・リバーを望むフォート・トライオン・パークの丘の上にある。クロイスターとは英語で回廊のことをいい、館内には実際の遺跡をもとに、中世の修道院にあったものを忠実に再現した回廊が4つある。なかでも建物の中心にあるクサの回廊(写真)は必見。館内の作品にも描かれている草花が咲く中庭は気持ちがよく、ついつい時間を忘れて長居してしまう。回廊のひとつを利用したカフェもおすすめ。こちらは4~10月のみのオープン。

クロイスターズ The Met Cloisters
99 Margaret Corbin Dr (at Fort Tryon Park)
Tel (212) 923-3700
木〜火10:00-17:00 水曜・感謝祭・12/25・1/1は定休日
大人30ドル、65歳以上22ドル、学生17ドル、12歳未満無料(要保護者同伴)
※同日中はメトロポリタン美術館と共通入場可
Ⓐ190 St

美術館の新しい形
ニュー ・ ミュージアム New Museum

国際的に高い評価を得ている日本人建築家のデュオ、SANAAが手掛けた美術館。白い箱をアンバランスに積み上げたようなフォルムが目印の、ダウンタウンの名所。常設展示作品をあえて持たず、常に新鋭アーティストを取り上げ、時代を切り取った個性的な作品を紹介している。1階にはユニークなギフトショップとカフェもある。土・日には最上階のスカイ・ルームが解放され、360度のパノラマ・ビューでマンハッタンのスカイラインを見ることができる。

 

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ニュー ・ ミュージアム New Museum
235 Bowery (bet Rivington & Stanton Sts)
Tel (212) 219-1222
水・金~日 11:00-18:00 木 11:00-21:00
大人18ドル、65歳以上・学生15ドル、18歳以下無料
Ⓕ2 Av / ❻Spring St / ⒿⓏBowery
※建物の拡張工事に伴い閉館中で、2025年中に再開予定

黄金に輝くクリムトの名作がここに
ノイエ ・ ギャラリー Neue Galerie New York

20世紀初頭のドイツとオーストリアの美術、装飾芸術を扱う。市のランドマークに指定されている由緒ある建物の2階と3階部分にギャラリーが設けられており、クリムトやエゴン・シーレなどの傑作が展示されている。いちばんの目玉は、2006年に当時の史上最高額1億3,500万ドルで落札され話題になったクリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 Ⅰ」。家具や調度品、食器や時計といった小物展示物も充実していており、ゆったりとした贅沢な空間を楽しめる。鑑賞の合間には、館内にあるオーストリアの料理が楽しめるカフェ・サバスキーへ。ケーキや軽食はどれも絶品。

ノイエ ・ ギャラリー Neue Galerie New York
1048 5th Ave (at 86th St)
Tel (212) 628-6200
水〜月 10:00-18:00 火曜は休館日(毎月第1金曜は入館無料 17:00-20:00)
28ドル、シニア18ドル、学生15ドル
※16歳未満は要保護者同伴/12歳未満は入場不可
❹❺❻86 St

由緒正しき豪邸で美術鑑賞
フリック ・ コレクション The Frick Collection

20世紀初頭の実業家ヘンリー・フリックが収集した貴重なコレクションを、彼の邸宅だった館ごと公開。大理石を使った新古典様式の建物内にはフェルメール、レンブラント、ゴヤ、グレコ、ベリーニなど傑作が揃い、小規模ながらも見応えたっぷり。なかでも見どころは、現存する作品が30数点しかないといわれている寡作な画家フェルメールの作品3点。フリックの遺言により館外持ち出し禁止なので、ここでしか観ることができない。不定期にはクラシックコンサートも開催(有料)。

フリック ・ コレクション The Frick Collection
1 E. 70th St (bet Madison & 5th Aves)
Tel (212) 288-0700
水・木・土・日 11:00-18:00 金 10:00-21:00 月・火曜は休館日
大人30ドル、65歳以上22ドル、学生12ドル、18-10歳は無料
(6月23日から博物館は月曜11:00-18:00まで開館)
※10歳未満入場不可
❻68 St-Hunter College / Ⓠ72 St

国際写真センター International Center of Photography (ICP)

報道写真家ロバート・キャパの弟コーネルにより、報道写真の地位向上と保存を目的に創設された。もとはフォトジャーナリズムのショーケースといった存在だったが、現在は芸術作品としての収集と展示を主としている。ジャージーシティーにあるアートスペース、MANAコンテンポラリー内にもICPによる膨大な展示がある。

 

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国際写真センター International Center of Photography (ICP)
250 Bowery St (bet E. Houston & Prince Sts)
月・水・金〜日 10:30-18:30 木 10:30-20:00 火曜は休館日
大人18ドル、65歳以上14ドル、学生12ドル、14歳以下無料
Ⓕ2 Av / ❻Spring St / ⒿⓏBowery

アート&デザイン美術館 Museum of Arts & Design (MAD)

コロンバス・サークルに建つモダンな建物が目印。アート、デザイン、クラフトに焦点を当て、 粘土、グラス、木、鉄、繊維などさまざまな素材を使ったコンテンポラリー作品を展示する。また、世界初となる嗅覚アートセンターでは、香水を中心に視覚では体験できない独特のアート形式が話題に。

アート&デザイン美術館 Museum of Arts & Design (MAD)
2 Columbus Circle (at Broadway)
Tel (212) 299-7777
火・水・金〜日 10:00-18:00 木 10:00-20:00 月曜は休館日
大人20ドル、シニア16ドル、学生14ドル、12歳以下無料
ⒶⒷⒸⒹ❶59 St-Columbus Circle

スタジオ ・ ミュージアム ・イン ・ ハーレム The Studio Museum in Harlem

アフリカ系アメリカ人アーティストたちの注目作品などを紹介している。毎週日曜は入場料が無料で、家族向けのアート&クラフト作りのワークショップなどを開催。公民権運動、人種差別、経済格差へのアンチテーゼなど、訴えかける作品が多い。アポロシアターから近いので、あわせて見るとよい。

スタジオ ・ ミュージアム ・イン ・ ハーレム The Studio Museum in Harlem
144 W. 125th St (bet Adam Clayton Powell Jr. & Malcom X Blvds)
Tel (212) 864-4500
木・金 12:00-21:00 土 10:00-18:00 日 12:00-18:00
大人7ドル、学生・シニア3ドル、12歳以下は無料
※新館建設中のため閉館中で、2025年にオープン予定
❷❸ⒶⒷⒸⒹ125 St

アメリカン・フォーク・アート博物館 American Folk Art Museum

18世紀から現代に至る7,000作品以上のアメリカのフォークアート(民芸)の所蔵を誇る博物館。有名アーティストの作品というより、無名作家による素朴な作品が多く、人種のるつぼであるアメリカに存在するさまざまな文化を読みとることができる。かつてMoMAの隣にあったが移転し、現在はリンカーンセンターのそばに。かつての建物を惜しむ人が今も多いが、コレクションへの評価は大変高い。

 

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アメリカン・フォーク・アート博物館 American Folk Art Museum
2 Lincoln Square (bet 65th & 66th Sts)
Tel (212) 595-9533
水〜日 11:30-18:00
入館料は無料
❶66 St-Lincoln Center

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