ニューヨーク便利帳
編集部
矢吹 陽子
ニューヨーク在住歴:3年
こんにちは。編集部の矢吹です。
アメリカでは、自宅に友人や会社の同僚を招待し、食事をしながら親睦を深める機会が日本に比べて多いことはみなさんもご存知のはず。ゲストに居心地よく過ごしてもらう空間作りは、ホストの力量が試されるところです。そこで、クリスマスシーズン真っ只中の2017年12月下旬、ニューヨークで生活する奥様から絶大な支持を得ている、Atelier de Ikuko New York代表、大石育子先生のテーブル・コーディネートクラスに体験取材へ行ってきました。
12月20日のレッスンのタイムスケジュール
11:00 先生のご自宅に集合 先生が事前にご自宅の住所を教えてくれます
11:10 レッスン内容のデモ写真撮影 まずはその月のテーマに沿った先生のコーディネート例を写真に撮りながらじっくり観察
11:30 レッスンスタート 用意されている多くの食器やデコレーションから好きなものをチョイス
12:00 完成したテーブル・コーディネートの写真撮影(Before) 全員の出来上がりをそれぞれ写真に残します
12:30 コンセプトの発表と先生からのアドバイス コーディネートが完成した順にコンセプトを発表し、先生からプロとしての丁寧なアドバイスと、よりニューヨークスタイルへ近づけるアレンジレッスンを受けます
13:00 写真撮影(After) アドバイス後の写真を撮影
13:30 食事&歓談 先生お手製のおいしい食事をいただきながら話に花をさかせます
15:00 レッスン終了
11:00 先生のご自宅に集合
1歩足を踏み入れると、すでにお部屋はクリスマスムード一色!ショールームと見間違うほどの完成された空間にドキドキが止まりません。
部屋のどこを切り取っても絵になるインテリアは、育子先生が長年集めてきたものや、手作りした大切なものばかり。
11:10 レッスン内容のデモ写真撮影
育子先生による12月のテーブル・コーディネートのコンセプトの説明を受けます。この月は「5番街のクリスマス」がテーマ。先生が作り上げたコーディネートのあまりの完成度の高さに、レッスン初心者の私は自分もできるのかとドキドキが再燃。
11:30 レッスンスタート
この日の生徒さんはすでに何度か通われている方が多い様子。自身のイメージするクリスマスのテーブル・コーディネートをさまざまなアイテムを使いながらセットしていきます。セットしながら「なにか違う…」と言っては別のアイテムを用意し、納得がいくまで悩みながらコーディネートを仕上げていきます。
ニューヨーク生活3年ほどの私は、自宅にゲストをお招きしたのは過去1回のみ。そのため、いざコーディネートをしてみようとしても、なにから手をつけていいのかわかりません。なんとなくお皿を置いてみたり、ナプキンをポンっとのせてみたり…。そんな私の横に育子先生が立ち、好きな色などの質問を投げかけながらイメージを一緒に膨らませてくれます。育子先生が的確なアドバイスをくれるので、思ったより早く出来上がりました。
12:00 完成したテーブル・コーディネートの写真撮影(Before)
早速、出来上がったテーブル・コーディネートの撮影開始。勉強のため、ほかの生徒さんのコーディネートも写真に撮っていきます。クリスマスをイメージしているだけに、きらびやかなコーディネートはどれも素敵です。
12:30 コンセプトの発表と先生からのアドバイス
それぞれがイメージするテーブル・コーディネートのコンセプトを発表していきます。「夫婦二人のクリスマス・ディナー」や「友人夫妻を呼んでのクリスマス・ディナー」のようにイメージを形にしたコンセプトを発表していきます。
そのコーディネートがコンセプトに合うものかどうかを、プロの視点で育子先生が総評してアドバイスとともに間違った置き方などを修正していきます。
13:00 写真撮影(After)
生徒さんの個性やこだわりを残しながら、Ikuko Styleのエッセンスを加えたテーブル・コーディネートの写真を改めて写真に撮ります。Beforeと見比べると、より素敵になったコーディネートを楽しめます。
~Before~
~After~
13:30 食事&歓談
レッスン後に、生徒さんたちが毎回楽しみにしているという、育子先生手作りの食事をいただきながら歓談します。セールの話や、おすすめレシピサイト、レッスンのなかで育子先生に教えてもらったテーブルマナーについての復習など、会話が弾みます。
15:00 レッスン終了
いただいた食事の食器を片付け、この日は15:00に終了。お子さんのお迎えがあるママさんや、予定がある生徒さんは適宜早めの時間に帰るとのこと。
レッスンの後、講師の大石育子さんにお話を伺いました。
Q. 生徒さんにはどのような方がいますか?
A. 駐在員の奥様や永住されている方など、どちらも生徒さんの紹介で通ってくださる方がほとんどです。お客様をおもてなしすることを目的としている方ばかりではなく、ニューヨークのおもてなしという非日常の世界を体験したいという方も多いです。
Q. 先生のコーディネートは日本でよく目にするディスプレイと印象が違うように思います。どのようなこだわりがありますか?
A. 『大人可愛い』をテーマにコーディネートをしています。リボンで可愛い雰囲気を出しながらも黒で引き締める。可愛いだけでも大人っぽいだけでもない、その絶妙なバランスがニューヨークのイメージにマッチするので、私はこのスタイルにこだわりを持っています。
Q. 先生のレッスンでは食器、デコレーションに至るまで多くの種類のなかから自分好みのものを選んでコーディネートを仕上げていく楽しみがあってすごく面白かったです。おすすめのスターターキットや、少ない手持ちでもデコレーションを楽しむコツを教えてください。
A. 私は日本でもコーディネートの仕事に長く携わっていたのでその頃から集めた食器などを多く持っています。レッスンでは生徒さんからもよく『こんなに食器を揃えられません!』と言われることがあるんです(笑)。そのときに必ず『白いものを1セット用意してください』と伝えています。そこから先はご本人の好みや収納との相談になります。私のクラスでは通年で“Juliska”の食器を使っていて生徒さんも購入されている方が多いんです。
あとは小物使いで楽しみ方は無限になります。今日のデコレーションで使ったクリスマスツリーやキャンドルもクラフトショップや雑貨屋さんで10ドル以内で購入したものばかりなんですよ。要するに、安く見えない小物選びがとても大切なんです。今月は12月で『5番街のクリスマス』がテーマだったので高級ブランドをイメージできる良いものも揃えていますが、ほかの月はほとんど10ドル以内のものだけでコーディネートを楽しみます。生徒さんが実践できなければ意味がないですからね。あとはリボンをたくさん用意しておくといいですね。リボンひとつとっても素材や色によってその印象はさまざまなので、いろいろ試してみると発見があって面白いと思いますよ。
そう言うと、ほんの一瞬でリボンを使った別のスタイルを作り上げていく育子先生。
数時間前に初めてお会いしたばかりなのに、私との会話のなかで好きなスタイルを見極め、なんと私好みのコーディネートを作ってくださいました!これには、感動!!
Q. レッスンを受けて、ナイフの置き方などのアドバイスもわかりやすく実践したいことが盛りだくさんでした。レッスンのなかで気をつけていることはありますか?
A. ナイフの向きを間違えてしまう生徒さんが多いんです。向きは必ず内向きに。『ナイフの刃をほかのひとに向けてはいけないでしょう?』と理由をつけて伝えることでみなさん気をつけるようになります。また、生徒さんの作ったコーディネートをアドバイスする際に内容をガラリと変えてしまうと、それは私のスタイルになってしまうので、生徒さんの個性やこだわりを残しつつ、プロ目線のアドバイスを心がけています。コーディネートに正解はないので、みなさんには自由な表現を楽しんでいただきたいです。
Q. 素敵なお皿を使った美味しい食事までいただけて嬉しかったです!生徒さんたちともゆっくりお話しできて交友関係も広がりそうですね。そのために心がけていることは何ですか?
A. ありがとうございます。食事は前の日から準備しておくと当日がとても楽ですよ。毎回すべて手作りではなく、市販のものもお出しするんですが、大切なのはおもてなしの心。みなさんもすべてを手作りする必要はないんです。
交友関係については、実は私がニューヨークに来た当初はなかなか同世代のお友達を見つけることできず苦労した経験があるんです。そのため、このレッスンで日本人の方の交友関係が広がっていくのをみるととても嬉しく思います。よく、子育てのお話やセール情報などを楽しそうに話されていますよ。ここで知り合ってプライベートでもお付き合いされている方が多くいらっしゃいます。
本日参加された生徒さんにもお話を伺いました。
Q. すでに何度か通われているそうですが、ご自宅でも実践されているのですか?
A. 機会は少ないですが、友人夫妻をお招きするときなど大変助かっています。基本的には、レッスンへは非日常を体験しに来ています。こんなに華やかな空間で素敵なコーディネートを日本語で学べる機会はないので毎回楽しみなんです。それに、育子先生はテーブルマナーにも詳しいので、特別な日のアップスケールなレストランディナーでも自信を持って食事を楽しめるようになりました。
編集後記
自宅でパーティーを主催する予定がある、非日常を体験してみたい、と参加理由はさまざま。やってみたい!という気持ちだけで参加するのもありでは?と思うほどウェルカムな雰囲気を出しているクラス。そしてその雰囲気を作り上げる、育子先生の温かい人柄にファンになる生徒さんが絶えない人気のレッスンです。
テーブル・コーディネートのほかにも、Ikuko Styleを学べるソフト・ファニシングや英国式の美味しいお紅茶の淹れ方レッスンを開催している育子先生。
ニューヨークの生活をさらに楽しめるレッスンを体験してみたい方は、こちらからAtelier de Ikuko New Yorkさんにコンタクトを。
▷An Annual Table Decor in New York
~NY12か月のテーブル物語~
人種のるつぼ「The Big Apple」ニューヨークの街をコンセプトに、さまざまなスタイルの12か月の生活をテーブル・コーディネートで表現。
レッスンではそのまま自宅で楽しめるテーブル・コーディネートを、日本の読者にはニューヨーカーのライフスタイルを楽しんでもらえるようにブログ、インスタグラムにて情報を発信。
講師Profile
大石 育子
食空間プロジェクト認定サロン:FSPJ実践初級ディプロマ発行校
FSPJ食空間プランナー
ソフトファニシングデザイナー
インテリアコーディネーター
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