【J1ビザは税金払わなくてよい?】アメリカのJ1ビザと税金 (PR)

【執筆】
尾崎会計事務所
尾崎 真由美 (Ozaki Mayumi)<フロリダ本社>
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今回のテーマはJ1ビザと税金。

1月になり、いよいよタックスリターンの時期が近づいてきましたね。
(2023年版のタックスリターンの記事はこちら

現在J1ビザで有給インターンシップを行ってアメリカに滞在し、今年初めてのタックスリターンを行う方もいると思います。
「アメリカの税金って払わなければいけないの?」と思っている方も多いでしょう。

結論、J1ビザには特殊免税規定があり、場合によっては免税になります。

通常、アメリカで収入があると、どんな人でもアメリカにいなかったとしても納税義務が生じます。
アメリカに3年の内「183日」以上滞在する場合は、税務上居住者として納税義務が発生します。
具体的には、3年間のアメリカ滞在日数の内、2年前のアメリカ滞在日数の6分の1と1年前のアメリカ滞在日数の3分の1と本年度のアメリカ滞在日数の合計が183日以上である場合になります。この場合は、アメリカ国外で収入があった場合には、アメリカのみならず全世界の収入を報告しなければなりません。
※ただし本年度のアメリカ滞在日数が31日未満の場合は、総滞在日数が183日を超えていても納税義務は発生しません

この規則には例外があり、一般的にJ1ビザの方で3年間の各年に122日間米国に滞在した場合は、米国居住者とみなされます。ただし、J1ビザの方は、学生、教師、研修生としてこの「183日」規定のアメリカ滞在日数を除外できる場合があります。

ビザの特殊免税規定

J1ビザの方の勤労所得は米国での課税を免除される場合があります。
上記の「183日」規定に基づいて米国に居住する外国人であるとされ、かつ日本の税法上日本の居住者でもある J1ビザの方は、米国所得税の計算上、アメリカと日本の両方の居住者として扱われ二重課税となる可能性がある場合に日米租税条約に基づきアメリカ以外の国の居住者(非居住者)として扱われる場合があります。
※この場合はForm 8833, Treaty-Based Return Position Disclosure Under Section 6114 or 7701(b) を提出しなければなりません。

一般的に、非居住者である外国人が米国で就労中に得た賃金は、支払者/雇用者に関係なく米国での課税対象となります。
しかし、J1ビザの方は、外国の雇用主から報酬を受け取った場合、その所得は米国での課税が免除されます。ただし、J1ビザの方が「183日」規定に基づいて居住外国人になると、この免税措置は適用されなくなります。

1040NRでの申告

しかし税務署はこの人が「ビザだから免税」というような個人の状況はわかりません。
唯一、1040NRだけが個人の状況を税務署へ報告できる手段です。
「日本で収入がありましたが、Jビザなので免税です。」ということを報告する必要があります。

1040NRとは:アメリカで収入があった場合のみ税金を申告して支払う書類のこと。

アメリカ国外で収入があったものは、税金の対象にはならない書類です。
税法上、非居住者の人だけが使用します。夫婦での合算ができませんので、奥様とご主人様と両方に収入があった場合は、夫婦別々で申告します。

8843フォーム

8843フォームというのは、自分がビザで滞在しているということは報告できますが、「日本で収入があった」「これは免税にする」などといった数字は報告することができません。

 

タックスリターンは複雑で、個人個人の状況によって大きく異なるため、会計士に相談することをお勧めします。
自分で市販の会計ソフトを使用して行うこともできますが、慣れないと手間と時間がかかるため、結果的には会計士に一任するほうがよいでしょう。